米ドル・円

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米ドル・円は、先週の「中銀ウィーク」でFRBが昨年12月以来9ヶ月ぶりに利下げを再開することを決定した一方、日銀は5会合連続で政策金利の据え置きを決定したものの、高田、田村両審議委が0.25%の利上げを主張し、反対票を投じたため、日銀が早期利上げに動くとの見方が拡がる中、円が買い戻される場面もみられております。大規模金融緩和の一環で購入した上場投資信託(ETF)の売却を決定したことも、金融引き締めに前向きな「タカ派」的な動きとみられたようです。

ただ、材料出尽くし感が強まる中、引き続き147円台で揉み合う展開が続いたものの、9月24日に200日平均線を上抜いて、148円台を回復。翌25日に149円台を回復し、149.93円まで上昇。心理的節目の150円に迫る場面もみられております。

FOMC(米連邦公開市場委員会)の「ブラックアウト」期間が明けて、FRB高官の発言が相次ぐ中、FRB内で利下げの幅を巡り意見が割れていることが改めて示されたことに加えて、景気の底堅さを示す米経済指標の発表も相次いでいることから、FRBが積極的な「利下げサイクル」に着手するとの期待がやや後退。米長期金利が上昇する中、日米金利差の拡大から円売りドル買いの動きが拡がった模様。

国内に目を向けても、10月4日に自民党総裁選の投開票を控える中、次期政権が財政拡張的な政策を進めるとの思惑が拡がっており、円安が進み易い地合いとなっております。

目先は、9月26日に発表される8月米個人消費支出(PCE)物価指数の結果次第となりそうです。FRBの追加利下げ観測が後退するようですと、8月1日以来の150円台を回復することも想定されます。また、米国ではつなぎ予算の審議が難航しており、政府機関の一部閉鎖となるようだと、投資家のリスクオフ姿勢が強まり、ドル高が進むことも想定されます。

テクニカル的にも、ペナントを上放れたような動きとなっているだけに、200日平均線を維持しつつ、8月1日の150.92円を意識した動きが続くか注目されます。

最後に、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは9月16日時点で前週比3万0232枚減少の6万1411枚と、減少に転じております。

 

IMM円のネット・ロング

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