米ドル・円
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米ドル・円は、トランプ米政権の「相互関税」を巡り、米中が報復措置をエスカレートさせて「貿易戦争」が激化し、世界景気が後退するとの警戒感が根強い中、米ブルームバーグ通信が中国政府が国内航空各社に米ボーイングの航空機を受け取らない様に命じたと報じたことから、相対的な「安全通貨」として円を選好する動きが継続。また、関税政策を巡る日米交渉で、ベッセント米財務長官が通貨問題も議論する意向を示す中、円安是正を求められるとの思惑も円買いの勢いを強めた様です。
FRBのウォラー理事が米政権の関税引き上げの対応を巡り、景気後退の脅威がある場合には「従来考えていたよりも早くより大幅な利下げを支持するだろう」と述べ、FRBの早期利下げ観測が高まる場面もみられたものの、パウエル議長が講演で利下げによる景気下支えに慎重姿勢を示したことが嫌気されて、米国株が大幅安となったため、円買い・ドル売りの流れが加速し、141.63円まで急伸。2024年9月30日以来約7ヶ月ぶりの円高水準となる場面も見られております。
ただ、トランプ米大統領の関税政策を巡る日米両政府の初会合で、為替に関する話は出なかったと赤沢経済再生担当相が明らかにしたことから、流れが一転。ドルを買い拾う動きが強まり、143円台を回復しております。
とは言え、市場では米景気の先行き不透明感からドルが売られ易くなっていることに加えて、日米関税交渉で為替に関しては、加藤財務相とベッセント米財務長官の間で元々議論すると見られていることから、円安是正への警戒感も根強く、円高基調は変わらないとの見方が多い様です。
米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは4月8日時点で14万7067枚。3月11日時点(13万3902枚)を上回り、過去最高を更新。歴史的な円買い水準を維持しているだけに、心理的節目の140円割れを試す動きが続くことが想定されます。
IMM円のネット・ロング
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