米ドル・円
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米ドル・円は、日銀金融政策決定会合やFOMC(米連邦公開市場委員会)を通過したことで材料出尽く感が強まっていることに加えて、トランプ大統領が関税政策について「柔軟性がある」と発言。投資家のリスクオフ姿勢が後退する中、ドルが買い拾われている様です。149円台半ばまで戻して来ております。慢性的な貿易赤字や少額投資非課税制度(NISA)を通じた海外投資の増加、デジタル赤字などを背景とした構造的な円売りにより、実需のドル買いの動きも根強い模様。
IMM円のネット・ロング
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また、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは3月18日時点で12万2964枚。9週ぶりに減少に転じたものの、依然として大幅な買い越しとなっていることから、円買いの巻き戻しへの警戒感も拡がっている様です。
テクニカル的にも、MACDがゴールデン・クロスとなる中、このまま150円台を回復する様ですと、1月10日の158.88円から3月11日の146.54円の下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%戻し水準151.25円を意識した動きになって行くことも想定されます。
ただ、切り下がって来ている200日平均線がレジスタンスとして意識されそうです。また、トランプ米政権の二転三転する関税政策に対する警戒感が根強いことに加えて、日銀の追加利上げ観測が根強い一方で、FRBは3月のFOMCで年2回の利下げ見通しを維持したことから、日米金利差の縮小期待も拡がっており、152円が近づくにつれて円が買い戻されることが想定されます。
主要先進国の政策金利
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なお、スイス国立銀行(中央銀行)が5会合連続で利下げを行う中、日本の政策金利は約2年半ぶりにスイスの水準を上回り、主要先進国で最低の地位を脱出しました。そのため、円キャリー取引に伴う円売り圧力が弱まって行くと見られております。
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