米ドル・円

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米ドル・円は、今月発表された米経済指標が米景気の底堅さやインフレの鈍化を示し、米経済がソフトランディング(軟着陸)出来るとの見方が拡がる中、FRBによる大幅利下げ観測が後退。米長期金が4%台を維持する中、日米金利差が拡大するとの思惑から円売り・ドル買いの動きが強まる一方、90日平均線でレジスタンスを受ける中、150円を挟んだ揉み合いが続いていたものの、10月22日に7月3日の161.95円から9月16日の139.57円の下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の半値戻し水準150.76円を上抜き、151円台を回復。

複数のFRB高官が追加利下げに慎重な姿勢を示したこともあり、米長期金利が一時4.26%を付け、7月下旬以来約3ヶ月ぶりの水準まで上昇する中、翌23日に200日平均線や120日平均線を突破。一時7月31日以来の153円台に乗せる場面も見られております。

米大統領選挙まで2週間を切る中、世論調査では接戦が予想されているものの、過去にもトランプ氏の事前の支持率が低く出ていた経緯を踏まえ、トランプ氏有利との見方が市場の一部で拡がる中、同氏が米大統領に返り咲けば、関税引き上げや減税延長といった政策がインフレ再燃や財政悪化を招き、米長期金利につながるとの見方から、「トランプトレード」が再開したとの見方が出ております。

ただ、61.8%戻し水準153.40円を上抜くことは出来ず。急ピッチな上昇に対する警戒感に加えて、連日で政府高官が口先介入を行っていることから、151円台半ばまで円が買い戻されております。

IMM通貨円

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利上げ局面にある日銀と利下げ局面にあるFRBの金融政策の方向性の違いから、一段の円安に対して警戒感も根強い様です。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは10月15日時点で3万4110枚。3週連続で減少中であるものの、10週連続でネット・ロングを維持しており、これまでの円安とは状況が異なるとの見方も出ております。週明けは総選挙の結果次第で乱高下しそうですが、目先は200日平均線を維持出来るかが焦点となりそうです。

なお、来週は10月30、31日の両日に日銀金融政策決定会合が開催されます。今会合では現行の金融政策の据え置きを予想する向きが大勢を占めておりますが、同時に公表される「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」や植田総裁の会見で、追加利上げに前向きな姿勢が確認されるかが注目されます。

◆加藤財務相、為替は一方的で急速な動き

加藤財務相は10月23日に訪問先のワシントンで、外国為替市場で円安・ドル高が進んでいることについて「足元では一方的な、急速な動きが見られる」と述べました。その上で、「為替市場の動向を緊張感をさらに高め、注視してまいりたい」と牽制しております。ただ、「為替介入について具体的には言及しない」と述べました。

 

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