米ドル・円

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米ドル・円は、トランプ米政権の関税政策を巡る先行き不透明感が拡がる中、相対的な「安全通貨」として円を選好する動きが拡大。また、米国の個人や企業の景況感悪化を示す経済指標が相次ぎ、米長期金利が低下する一方で、日銀の追加利上げ観測は根強く、日米金利差の縮小期待から円買いドル売りの動きが強まる中、じわじわと円高が進行。3月10日に146.62円まで円高が進む場面も見られております。

ただ、慢性的な貿易赤字や少額投資非課税制度(NISA)を通じた海外投資の増加、デジタル赤字などを背景とした構造的な円売りにより、実需のドル買いの動きが根強い上に、テクニカル的に相対力指数(RSI)が節目の30%近くまで低下したため、ドルを買い戻す動きが強まった様で、147円台まで戻して来ております。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは3月4日時点で前週比3万7671枚増加の13万3651枚と、7週連続で増加。5週連続でネット・ロングとなり、先週に続いて買い越し幅は過去最高を更新しております。トランプ米大統領が3月3日に、中国と共に日本が通貨安を誘導してきたと述べて、追加関税の可能性を示唆。トランプ氏が円安を牽制したとの見方から、ファンドの円買いが強まったとの見方が出ております。

買い越し枚数が急増したため、四半期末が近づくにつれて、ドルを買い戻す動きが強まるとの見方も出始めておりますが、テクニカル的に昨年12月3日に付けた148.64円を割り込み、Wトップ型が意識され始めているだけに、引き続き昨年9月16日の139.57円から今年1月10日の158.88円の上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の61.8%押し水準146.95円割れを試す動きが続くか注目されます。

 

IMM円のネット・ロング

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