米ドル・円

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米ドル・円は、トランプ米大統領がSNSに欧州連合(EU)からの輸入品に、6月1日から50%の関税を課すべきだと投稿したことを受けて、貿易摩擦が激化するとの懸念が再燃。相対的な「安全通貨」として円が選好される中、5月23日に142円台まで円高が進行。27日に142.11円まで円高が進む場面も見られております。ただ、トランプ氏がその後EUからの輸入品に対する50%の関税発動を7月9日まで延期すると明らかにしたため、一転してドルが主要通貨に対して買われる展開となり、144円台前半まで戻しております。

その後も、国際貿易裁判所が、法に反しているとして相互関税などトランプ関税の一部に差し止めを命じたことを受けて、円売りドル買いの動きが加速する中、146円台前半まで円安が進む場面も見られるも、米国際貿易裁判所の関税差し止め命令に対して、トランプ米政権は即日控訴し、米連邦巡回控訴裁判所(高裁)が米国際貿易裁判所の差し止め命令を一時停止する判断を下したため、円が買い戻されております。

一連の動きを受けて、関税政策への先行き不透明感がかえって強まったとの見方が拡がるなど、トランプ米政権の政策を巡って二転三転する状況が続く中、引き続き相対的な「安全通貨」として円が選好される展開が続きそうです。テクニカル的にも、いったん入り込んだ一目均衡表の雲を下抜けつつあるだけに、このまま雲がレジスタンスとして意識され始めるようだと、上値の重い展開が想定されます。

なお、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは5月20日時点で前週比4938枚減少の16万7330枚と、3週連続で減少。16週連続でネット・ロングを維持しているものの、5月21日の日米財務相会談で、現在の円相場がファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映していることが改めて確認されるなど、米国が円安是正を要求するとの警戒感がやや後退し始める中、円買いのポジションを縮小しつつある模様。

 

IMM円のネット・ロング

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