米ドル・円

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米ドル・円は、米国際貿易裁判所が、法に反しているとして相互関税などトランプ関税の一部に差し止めを命じたことを受けて、5月29日に146.29円まで円安が進むも、トランプ米政権が即日控訴し、米連邦巡回控訴裁判所(高裁)が米国際貿易裁判所の差し止め命令を一時停止する判断を下したため、円が買い戻されております。

トランプ米大統領が5月30日にSNSで中国との貿易交渉が進展していないことに不満を表明。また、海外から輸入する鉄鋼・アルミニウム製品にかける追加関税を25%から50%に引き上げると表明したことから、貿易摩擦の激化が世界景気の減速を招くとの警戒感が再燃する中、相対的な安全通貨として円が選好されて、142円台半ばまで円高が進む場面も見られたものの、今週は143円を挟んだ狭いレンジで推移。ただ、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の電話会談の内容次第では、円売りドル買いの動きが強まる可能性がありそうです。

6月17、18日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控える中、目先は米国の金融政策に注目が集まりそうです。ウォーラーFRB理事をはじめとして最近のFRB高官の発言は「ハト派」なものが多くなる中、5月ADP全米雇用報告で、非農業部門雇用者数は前月比3.7万人増と、市場予想(11.0万人増)を大きく下回りました。

6月6日に発表される5月米雇用統計も市場予想を下回る内容となるようですと、早期利下げ観測が拡がり、再度142円割れを試すことも想定されます。

テクニカル的にも一目均衡表の雲でレジスタンスを受ける展開が続いており、引き続き上値の重い展開が想定されますが、米中摩擦の緩和期待が強まり、5月12日の148.65円から5月27日の142.11円の下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントでみた場合の38.2%戻し水準144.60円を上抜くようですと、5月16日以来の145円台を回復する可能性もありそうです。

なお、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは5月27日時点で前週比3318枚減少の16万4012枚と、4週連続で減少。ただ、17週連続でネット・ロングとなっております。

 

IMM円のネット・ロング

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