米与党共和党は3月8日に、2025会計年度(2024年10月~2025年9月)末までの財政資金を手当てする「つなぎ予算案」を公表しました。
現行のつなぎ予算の失効が3月14日に迫る中、政府機関の一部閉鎖を回避するには、期限までに上下両院で可決し、トランプ米大統領の署名により成立させる必要があります。
ただ、共和党は下院で僅差の過半数を占めるに過ぎず、上院は議事妨害を回避するため、野党民主党の一部から賛成を得る必要があります。民主党はトランプ米政権の強引な政府職員削減などに反発を強めており、期限までに議会通過できるか予断を許さない情勢ですが、共和党指導部は3月11日に採決する意向を示しております。
トランプ米大統領は3月8日にSNSに、「すべての共和党議員は来週、予算案に賛成票を投じるべきだ(お願いだ!)」と投稿。3月9日には、「起こり得る。起こるべきではないし、おそらく起こらない。予算継続決議案(つなぎ予算案)が可決されるだろう。様子を見よう」と述べ、下院でつなぎ予算案の可決に必要な票が集まらなければ政府機関の閉鎖は「あり得る」としながらも、可決を楽観視しているとの見方を示しております。
党派対立の激化で、2025年度本予算は年度半ばになっても成立しておりません。今回公表された予算案は、歳出規模を概ね前年度並みの水準で維持する「つなぎ予算」の形を取っており、民主党は「本予算審議を実質的に終わらせてしまう」(有力議員)と批判しております。
下院歳出委員会は、国防費を前年度からを約60億ドル増額する一方、政策判断で増減させやすい裁量的経費を「前年度から責任を持って減らす」と説明。米メディアによると、国防費以外の裁量的経費は約130億ドル削減される模様。共和党内で国防費増額を求める安保タカ派や、歳出削減を主張する保守強硬派に配慮した形となっております。
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