米連邦最高裁は1月20日に、昨秋から審理していた複数の訴訟に関する判決を言い渡したももの、トランプ米政権が貿易相手国・地域に課す「相互関税」を巡る訴訟の判決は出ず、三度持ち越されております。
最高裁は20日の時点で、次に判決を出す可能性がある日程を公表していませんが、米ブルームバーグ通信は最高裁が近く約4週間の休廷期間を迎えることから、通常の手続きであれば、審理済みの訴訟の判断を示す可能性がある次の機会は2月20日と報じております。
なお、トランプ大統領は同日にホワイトハウスでの記者会見で、関税措置で「何千億ドルもの収益を上げている」と強調。ただ「敗訴した場合、可能な限り返済しなければならなくなるだろう」とした上で、「訴訟の結果を不安に思いながら待っている」と述べております。
関税訴訟の対象は、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税のほか、合成麻薬の流入を理由に中国、カナダ、メキシコに課している関税。一審、二審とも大統領の権限を逸脱しており、違法で無効と判断。最高裁の保守派判事からも疑問が提起されており、違法と判断されれば米政権は既に支払われた巨額の関税の返還を迫られ、影響力が大きく削がれることとなります。米メディアによると、トランプ関税の返還を求める訴訟は日本企業を含め900件を超えており、審理の対象となっている関税約1330億ドル規模の返還が必要になります。
◆グリア米通商代表、最高裁で無効判決なら「直ちに他の関税」
NYタイムズ(電子版)は1月19日に、グリア米通商代表部(USTR)代表が15日に行った同紙とのインタビューで、米連邦最高裁が相互関税を無効とする判決を出した場合、「政権は直ちに他の関税に切り替える計画だ」と述べたと報じました。グリア氏は仮に敗訴した場合、「翌日から」関税措置の再構築を始めると表明したとしております。
グリア氏は「トランプ大統領は今後、貿易政策の一環として関税を課すことになるだろう」と指摘。中国への関税発動の理由としている通商法301条や自動車などの分野別関税の根拠とする通商拡大法232条などを代替措置として挙げております。巨額かつ深刻な国際収支の赤字に対処するため、最大15%の関税を150日間課すことが出来る通商法122条や、他国が米国の産業を「差別」していると判断すれば最大50%の関税を課す関税法338条も例示したようです。
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