スイスの金輸出量

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英政府は6月26日に、日本と英国、米国、カナダの各政府は新たに採掘・精錬されたロシア産の金の輸入停止を決めたと発表しました。ロシアのウクライナ侵攻に対する追加制裁の一環で、軍事作戦継続に向けた資金調達に打撃を与える狙いがあると見られております。

有力産金団体のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、ロシアの産金量(2021年)は330.9トンで、中国に次いで世界2位。世界の金生産の約1割を占めております。ロシアの金の輸出による収入は約126億ポンド(約2兆1000億円)で、主に英国向けとなっております。

ただ、金輸入停止には、欧州連合(EU)加盟国は加わらない模様。ミシェル大統領はロシア産の金輸入を禁止する計画について慎重な姿勢を示した上で、「金についてはさらに詳細を検討する意向だ。ロシア経済を標的にし、われわれ自身を標的にしない方法で金を対象とすることが可能かどうかを調べる」と述べております。

 

世界の産金量割合

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また、週末の金融市場では、スイスがロシア産の金を輸入したことが話題となりました。スイス連邦統計局によると、5月スイス金輸出量(速報値)は前年同月(82.32トン)比28.2%増加の105.54トンでした。国別では、中国への輸出は9.99トンで、前月(15.95トン)から減少。需要期を迎えたインドは35.67トンと、前月(8.96トン)から急増しております。

金輸入量(速報値)は、前年同月比6.9%減少の157.15トンで、ロシアから3.09トンの輸入が確認されております。ロシアからの輸入はロシアのウクライナ侵攻以来初めて。2021年は年間で17.50トン輸入しています。

主要7ヶ国(G7)や欧州連合(EU)は経済制裁の一環でロシアの中央銀行が保有する金の取引を禁じております。

なお、スイス連邦税関・国境警備局は声明を出し、「1億9400万スイスフラン相当のロシア原産の金約3トンが、英国からスイスに輸入された」とし、制裁措置に照らして調査していると説明。輸入したのが誰かは法的な理由により明らかにできないと指摘しました。

かつて、第2次世界大戦時にナチス・ドイツがユダヤ人から没収した金をスイスが買い、ナチスに資金が流れた経緯もあり、スイス当局はこの問題に敏感に反応している模様。

 

ロシアの産金量

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