米大手銀行6行 2023年10-12月期決算
↓クリックすると拡大します↓
米大手銀行6行の2023年通期決算が出揃いました。投資銀主体のゴールドマンとモルガン・スタンレーの純利益が2桁増となったのに対し、商業銀行中心の4社は小幅増益か減益となっております。
ゴールドマン・サックスの純利益は前年同期比28%増の41億ドルでした。増益は2四半期連続。主力の投資銀行業務の手数料や市場取引から得る収益が回復し、業績不振から脱しつつある様です。事業会社の売上高に相当する純営業収益は16%増の142億ドル。投資銀の手数料収入は32%増の20億ドル。株式と債券の引き受けがそれぞれ4割前後増えたほか、M&A(合併・買収)助言は24%増となりました。
モルガン・スタンレーの純利益は前年同期比14%増の34億ドルでした。増益は9四半期ぶり。株式や債券の引き受けが好調で投資銀行業務の手数料収入が伸びております。富裕層向け資産運用ビジネスも堅調だった模様。純営業収益は前年同期比4%増の151億ドル。
一方、JPモルガン・チェースの純利益は前年同期比6%増の134億ドルと、2四半期ぶりに増益となったものの、2024年通期の純金利収入の見通しが、市場予想より保守的だと受け止められ、発表直後に株が売られる場面も見られております。
ダイモン最高経営責任者(CEO)は、「多くの経済指標は引き続き良好だが、先行きを展望すると複数の不確実な要素に注意を払う必要がある」と指摘。地政学リスクの高まりやインフレの持続、FRBの量的引き締めを懸念材料に挙げ、経済や市場環境の変化への備えを改めて訴えております。
ウェルズ・ファーゴは7%減の46億ドルと、5四半期ぶりに減益。構造改革に伴う退職関連費用がかさんだシティグループも27%減の33億ドルと、2四半期連続で減益となっております。
バンク・オブ・アメリカの純利益は18%減の66億7400万ドルと、2四半期連続で減益。利ざやが縮小したほか、クレジットカード向けやオフィス向け融資の焦げ付きによる与信費用の増加も響いた様です。
米大手銀行6行 2024年1-3月期決算
純営業収益 |
純利益 |
|
JPモルガン・チェース |
419億ドル |
134億ドル |
バンク・オブ・アメリカ |
258億ドル |
66億ドル |
ウェルズ・ファーゴ |
208億ドル |
46億ドル |
シティグループ |
211億ドル |
33億ドル |
モルガン・スタンレー |
142億ドル |
41億ドル |
ゴールドマン・サックス |
151億ドル |
34億ドル |
※豊トラスティ証券作成
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。