米銀の貸出態度指数

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FRBが11月6日に発表した銀行の融資担当者調査(SLOOS)によると、2023年7-9月期企業向け融資基準を示す指数は9四半期ぶりに下落しました。ただ、3割以上の銀行は7-9月期にさらに融資を厳しくしており、引き締まった金融環境が続いている様です。

過去3ヶ月の間に融資基準を「かなり厳しくした」「厳しくした」と答えた割合から「かなり緩めた」「緩めた」の割合を除いた指数は、大企業・中堅企業向けが33.9と、前期(50.80)から16.90ポイント下落。中小企業向けは30.4と、前期(49.20)から18.8ポイント下落しました。

一方、大企業・中堅企業向け融資のうち、「かなり厳しくした」と答えた銀行は3.4%、「厳しくした」は32.2%でした。「緩めた」は1.7%、「かなり緩めた」と答えた銀行はありませんでした。指数のプラス幅は前回調査から縮小したものの、審査の厳格化傾向は続いている様です。

 

米家計負債、過去最高を更新

NY連銀が11月7日に発表した2023年7-9月期全米家計負債残高は前年同期比4.5%増の17兆2910億ドルと、過去最高を更新しました。FRBがインフレ抑制へ金融引き締めを続ける中でも、消費の底堅さが示されております。一方で、クレジットカードローンの延滞率も上昇するなど、利上げの副作用が生じている模様。

残高の主な内訳は、住宅ローンが4710億ドル増の12兆1400億ドル、クレジットカードが1540億ドル増の1兆0790億ドル。クレジットカード残高は前期に初めて1兆ドルを突破した。NY連銀は、「クレジットカード残高の急増は、消費支出や実質GDP(国内総生産)の強さと整合する」と説明しております。

クレジットカードローンの90日以上の延滞率は前年同期比2.09ポイント上昇の5.78%と、2011年10-12月期以来の高水準に達し、ローン全体の延滞率を押し上げました。FRBの利上げに伴う金利高が家計の重荷となり、延滞率の伸びにつながっているとの見方が出ております。

 

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