FedWatch(フェドウォッチ)
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7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBは市場の想定通り5会合連続で金利を据え置いたものの、声明公表後の記者会見でパウエルFRB議長が9月の利下げに関して「何も決めていない」と明言を避け、タカ派な姿勢を示したことから、FRBの早期利下げ観測が後退。
CMEが公表している米金利先物の値動きから政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」で、9月のFOMCでFRBが利下げを行うとの見方は41%まで低下したものの、8月1日に発表された7月米雇用統計が「ネガティブ・サプライズ」になったことを受けて、80.3%まで急上昇しております。
◆FRBのクグラー理事が退任
FRBは8月1日に、クグラー理事が8月8日付で退任すると発表しました。米ジョージタウン大教授に復帰するとしております。任期は2026年1月末まででした。
既に、トランプ米政権はクグラー氏の任期切れによる理事会の空席を見越し、利下げに慎重なパウエルFRB議長の後任選びに前倒しで着手しておりましたが、理事の枠に空きが出きたことで、トランプ米大統領が意中の人物をFRBに送り込むことが可能となります。トランプ氏はパウエル氏に再三利下げを要求し、「すぐ辞めろ」と公言するなど、圧力を強めておりますが、次期議長への就任含みで金融政策に強い影響力を及ぼす「影の議長」が誕生する可能性があるとみられております。
◆FRBのボウマン副議長とウォラー理事が共同声明、利下げ再開が適切
FRBのボウマン副議長(金融規制担当)とウォラー理事は8月1日に声明を出し、トランプ米政権の高関税政策による物価上昇は一時的で、労働市場の悪化リスクを踏まえれば、利下げ再開が適切だったと主張しました。両氏は7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを支持し、5会合連続での政策金利据え置きの決定に反対。副議長を含むFRB理事2人がFOMCで反対票を投じたのは、1993年以来約32年ぶりの異常事態となっております。
◆FRB高官の発言
・NY連銀のウィリアムズ総裁は8月1日に、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)とのインタビューで、次回9月のFOMCに「非常にオープンマインド」で参加すると述べ、利下げの可能性を排除しない考えを示唆しました。
・アトランタ連銀のボスティック総裁は8月1日に、SNBCテレビに出演し、7月米雇用統計で、5月と6月の就業者数が大きく下方修正されたことについて、「労働市場が大きく鈍化している明白なシグナルだ」との見解を示した。ただ、FRBの適切な政策金利動向に関しては、トランプ米政権の高関税政策を受けたインフレの推移も見守る必要があると言及。「労働市場の鈍化が持続するなら、雇用リスクがインフレリスクよりも高まり、年内の利下げ回数の想定を増やすことを検討する」と述べております。
・クリーブランド連銀のハマック総裁は8月1日に、ブルームバーグテレビとのインタビューで、7月米雇用統計は「期待外れ」としつつも、失業率が低水準にとどまっていることを踏まえれば「十分均衡した、健全な労働市場だ」との見解を明らかにしました。一方、FRBの物価安定目標を巡って「圧力が見受けられる」と言明。労働市場の鈍化が見受けられると認めたものの、インフレの問題のほうが「大きく、長期間続いている」と懸念を示しております。
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