米消費者物価指数
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米労働省が2月12日に発表した1月米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.0%上昇。伸び率は前月(2.9%上昇)を上回り、4ヶ月連続で加速。市場予想(2.9%上昇)も上回っております。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も同3.3%上昇と、伸び率は前月(3.2%上昇)から加速しました(市場予想は3.1%上昇)。
瞬間風速を示す前月比では全体は0.5%上昇(前月は0.4%上昇)と、2023年8月以来、約1年半ぶりの高い伸び。コア指数は0.4%上昇(前月は0.2%上昇)と、昨年3月以来の高い伸びとなっております。インフレの根強さが引き続き示された形となっております。
◆米ミシガン大の米消費者調査
米ミシガン大学が2月7日に発表した消費者調査によると、1年先の物価見通しを示す予想インフレ率は4.3%と、前月(3.3%)から上昇。2023年11月(4.5%)来の高水準。5年先の予想も3.3%と、前月(3.2%)から上昇。2008年6月(3.4%)以来16年半ぶり高水準となっております。トランプ次期米大統領の関税強化策で米インフレが再燃するリスクが意識され始めている様です。
◆1月米期待インフレ、5年後インフレ予想8ヶ月ぶり高水準
NY連銀が2月10日に発表した1月米消費者調査によると、1年先の期待インフレ率は3.00%と、前月(3.00%)から横ばいでした。一方、3年先は2.98%と、前月(2.72%)を上回り、昨年5月(3.00%)以来の高水準となっております。
◆パウエル議長、利下げ急ぐ理由なし
FRBのパウエル議長は2月11日に上院銀行委員会で証言し、雇用と物価の「両リスクに注意を払う」と強調。インフレが高止まりすれば、金利をより長期間維持するが、雇用が予想外に悪化したり、インフレ率が急低下したりすれば、「相応の金融緩和が可能だ」と述べております。また、「リスクや不確実性への対応で、金融政策は良い位置にある」と指摘し、「利下げを急ぐ理由が見当たらない」としました。
トランプ関税については、「どの様な関税政策が実行されるか見極める」と言明。関税に限らず、移民や減税、規制緩和の影響も踏まえ、「適切な金融政策を行う」と述べております。
銀行資本規制見直しについては、「引き続き取り組んでいく」と強調。新たな規制案の提示などが「速やかに行えることを楽観視している」とし、ドルなど法定通貨と連動した暗号資産(仮想資産)である「ステーブルコイン」の規制を巡る法整備を「明らかに支持する」と言明。消費者や企業にとって「大きな将来」がある可能性を指摘しました。
◆ボストン連銀、トランプ関税でインフレ0.8ポイント上昇も
ボストン連銀は2月6日に公表したレポートで、トランプ米政権による一連の関税措置が実施された場合、個人消費支出(PCE)物価指数で測る基調的な物価圧力が最大0.8ポイント押し上げられる可能性があるとの見方を示しております。
ボストン連銀は、関税が消費者に転嫁され、受け入れられるとの前提で分析。インフレ圧力の一部は鈍化する可能性があり、執筆者らは「報復措置、国内外の金融政策、為替レートなどを含む一般均衡効果が経済成長を抑制するため、インフレ予測を弱めると予想される」とも指摘しております。
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