米雇用統計
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米労働省が12月8日に発表した11月米雇用統計(季節調整済み)によると、失業率は3.7%と、前月(3.9%)から0.2ポイント低下(市場予想は3.9%)。景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比19.9万人増と、前月(改定値、15.0万人増)を上回り、市場予想(18.0万人増)も上回っております。
業種別でみると、自動車関連は3万人増加しており、全米自動車労組(UAW)とハリウッドの俳優らによるストライキ終結が寄与したと見られております。米国の雇用は底堅さを示したものの、コロナ禍後の過熱感は和らぎつつある様です。
米賃金とインフレ率
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平均賃金は前年同月比4.0%増と前月と変わらず。前月比では0.4%増と前月(0.2%増)から加速しております。アトランタ連銀が算出する「賃金トラッカー」は、10月は5.0%と、前月(5.0%)と変わらず。
同省が12月5日に発表した10月米雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門求人件数(季節調整済み、速報値)は873.3件と、前月(935.0万件)から61.7万件減少。市場予想(940.0万件)も下回り、2021年3月(839.9万件)以来の低水準となりました。
また、同省が12月6日に発表した2023年7-9月期米非農業部門労働生産性改定値は年率換算で前期比5.2%上昇。速報値(4.7%上昇)から上方修正されております。上げ幅は2020年7-9期以来、3年ぶりの高水準。市場予想(4.9%上昇)も上回っております。労働生産性の上昇は人件費の下落圧力となり、この傾向が続けばインフレ率の低下に寄与する可能性があると見られております。単位労働コストは前期比1.2%低下と、速報値(0.8%低下)から下方修正。市場予想(0.9%低下)も下回っております。
米求人件数
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なお、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(12月8日時点)によると、12月のFOMCでFRBが0.25%の利上げを行うとの見方は2.9%(先週末は19.2%)、据え置きは97.1%(同79.1%)となっており、市場では利上げ打ち止め観測が大勢を占めております。
また、利下げの時期に関しては、2024年1月は4.0%、同3月は45.0%、同5月は76.7%、同6月は92.6%となっており、引き続き来年半ばにFRBが利下げに踏み切るとの見方が多くなっております。
米非農業部門労働生産性
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