NY原油(中心限月、日足)
↓クリックすると拡大します↓
NY原油(中心限月)は、米実質GDP(国内総生産)が2四半期連続でマイナス成長となり、7月中国製造業PMIが再び景気の拡大・縮小を判断する節目の50を割り込むなど、世界景気のリセッション(景気後退)懸念が拡がる中、エネルギー需要の減退懸念が強まり、上値の重い展開が継続。
そんな中、産油国の増産観測により、供給懸念が後退したため、8月1日に急落。一時92.42ドルまで下げるなど、終値ベースでは昨年12月20日以来の200日平均線割れで終了しました。
ロイター通信の調査によると、7月石油輸出国機構(OPEC)加盟国産油量は日量2898万バレルと、前月比日量31万バレル増加した様です。
また、米FOXビジネスニュースが8月1日に、今週開催される石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国で構成される「OPECプラス」の閣僚級会合で、サウジアラビアが増産を支持する見通しだと報じたことから、供給懸念が後退しております。
OPECの原油生産量
↓クリックすると拡大します↓
「OPECプラス」は、協調減産が8月末に終了するため、9月以降の新たな生産体制を議論する予定ですが、市場では9月の産油量は8月の生産量で据え置かれるとの見方が多かっただけに、ふっと沸いた増産観測に警戒感が強まっております。
仮に増産が決定されても、「OPECプラス」に参加する国の多くは、生産量が割当枠を下回っており、実際に追加増産は難しいとの見方は依然多い様ですが、増産でまとまれば「アナウンス効果」が大きいと見られております。
そのため、このまま200日平均線を下回る状態が続き、短期的に7月14日の安値90.56ドルや節目の90ドル、次いで昨年12月2日の安値62.43ドルから今年3月7日の高値130.50ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の61.8%押し水準88.43ドルを意識した動きになる可能性もありそうです。
とは言え、欧州のエネルギー供給への懸念は解消されていないことから、80ドル台後半は買い拾われそうです。
OECD原油在庫
↓クリックすると拡大します↓
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。