NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比60.4ドル安の1648.9ドルで終了となり、3週ぶりに下落に転じました。10月4日に1738.7ドルまで買い進められる場面も見られたものの、50日平均線を突破することが出来ず。9月米雇用統計で、労働市場の全般的な堅調さが続いていることが改めて示されたことから、FRBによる積極的な利上げが継続するとの観測が再度拡がり、ユーロ安・ドル高が進行。相対的にドル建て商品に割高感が生じる中、週明け10日に急落。1700ドルを再び割り込みました。

その後も上値の重い展開が続く中、米インフレ指標の発表を受けて、10月14日に1645.6ドルまで下げるなど、終値ベースでは9月27日以来の1650ドル割れで終了しております。

9月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.2%上昇となり、伸び率は3ヶ月連続で鈍化したものの、市場予想(8.1%上昇)を上回りました。また、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比6.6%上昇と、2ヶ月連続で拡大。40年ぶりの高さとなり、市場予想(6.5%上昇)も上回るなど、根強いインフレ圧力が示されました。

翌日に米ミシガン大学が発表した米期待インフレ率も上昇に転じるなど、FRBによる積極的な利上げが続くとの見方が再燃しております。

国際通貨基金(IMF)は今週発表した最新の世界経済見通しで、2023年の世界成長率を従来見通しから下方修正。最悪期はこれからだとの見方を示しました。

米金融大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)も、来年半ばまでにリセッション(景気後退)に傾く可能性があると述べるなど、米欧の金融引き締めによる金利上昇を受けて、世界景気の減速懸念が強まっております。

また、ウクライナ情勢も再度緊迫化しており、「安全資産」として買い拾う動きが出始めている様で、現在取引中の時間外取引では1650ドルを上回って来ております。

CMEが公表している「Fedウォッチ」(10月14日時点)によると、11月のFOMCでFRBが0.75%の利上げを行うと97.2%が予測しており、先週末(10月7日、81.1%)から上昇するなど、市場では4会合連続で通常の3倍となる0.75%の利上げを行うとの見方を織り込みつつある様です。

3月8日を起点としたダウン・トレンドのレジスタンスは強そうですが、ドル高が続く中でも、直近安値1622.2ドル(9月28日)を維持しており、年末高に向けて底値を固める動きになって行くか注目されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は10月14日時点で前週末比3.19トン減少の941.14トンと、再び減少に転じました。

世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.74トン減少の475.07トンと、7週連続で減少しております。

 

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