米雇用統計

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米労働省が3月7日に発表した2月米雇用統計(季節調整済み)によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比15.1万人増と、前月(改定値、12.5万人増)を上回ったものの、市場予想(16.0万人増)は下回りました。1月分は14.3万人増から12.5万人増、昨年12月分は30.7万人増から32.3万人増に、それぞれ修正されております。FRBが重視する3ヶ月平均は20.0万人増と、コロナ禍前の2015~2019年平均の19万人を上回っており、堅く推移しております。業種別の就業者数は、医療関連が前月比5.2万人増。一方、レジャー・接客は1.6万人減と、2ヶ月連続で減少。連邦政府も1万人減となっております。

失業率は4.1%と、前月から0.1ポイント悪化(市場予想は4.0%)。労働参加率は62.4%と、前月から0.2ポイント低下。また、U6失業率は8.0%と、前月から0.5ポイント悪化。2021年10月(8.2%)以来の高水準となっております。

 

米賃金とインフレ率

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インフレに影響する平均時給は前年同月比4.0%上昇。伸び率は前月(3.9%上昇)からやや加速。前月比では0.3%上昇と、前月(0.4%上昇)から伸びが鈍化しております。

雇用情勢の底堅さが示された一方で、インフレの根強さが示される内容。ただ、首都ワシントンで失業保険の新規申請件数が急増するなど、雇用情勢は米起業家イーロン・マスク氏率いる米政府効率化省(DOGE)が主導する政府職員削減の影響で今後悪化するとの懸念が拡がっております。また、トランプ米政権の不法移民対策により、今後人手不足が強まる様だと、賃金上昇圧力につながり、インフレが再燃するとの見方も根強い様です。

◆パウエルFRB議長、トランプ米政権の政策の影響見極め、急ぐ必要ない

FRBのパウエル議長は3月7日にNYで講演し、トランプ米政権の高関税政策などを巡る不透明感が依然高いとの見方を示しました。ただ、政策の影響を見極める上で「急ぐ必要はない」と明言し、政策金利を当面据え置き続ける姿勢を堅持しております。

一連の発表や発言を受け手、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(3月7日時点)によると、3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBが利下げを行うとの見方は12%と、依然据え置きとの見方が大勢を占めているものの、5月は52.1%まで上昇。最近の冴えない米経済指標を受けて、FRBが年内に0.25%の利下げを3〜4回行うとの見方が拡がりつつあります。

 

FedWatch

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