世界の金需要(四半期別)

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産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が5月5日に公表した「Gold Demand Trends」によると、2023年第1四半期(1-3月)の世界金需要は前年同期比12.7%減少の1080.8トンで、3四半期ぶりにマイナスに転じております。金ETF(上場投資信託)関連の金需要はマイナス28.7トン。マイナス幅は縮小したものの、4四半期連続でマイナスとなっております。

一方、現物需要は引き続き堅調。公的機関の金購入は228.4トンと、前期(378.6トン)から減少。ただ、前年同期(82.7トン)から約2.8倍に急増。第1四半期としては少なくとも2010年以来の高水準となっております。バー・コインなど投資用需要は同5.1%増加の302.4トン、宝飾品需要は同0.5%増加の477.9トン。テクノロジー需要は同13.5%減少の70.0トンでした。

なお、WGCは今年1年間で見れば投資需要は増加し、中銀による買いも昨年には及ばないものの高水準を保つと予測。ただ、投資家が金を抱え込んでいるため価格はさらに上昇し、価格に敏感なインドの需要は減る可能性があるとの見方を示しております。

需要を国別で見てみると、世界最大の金需要国である中国は同16.2%増加の263.5トンと、2021年第1四半期以来の高水準となった一方で、インドは同17.0%減少の112.5トンと、2020年第3四半期(7-9月)以来の低水準に留まっております。

 

世界の金供給(四半期別)

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世界金供給量は前年同期比0.8%増加の1174.4トンで、2022年第1四半期(1165.1トン)以来の低水準となりました。内訳を見ると、鉱山生産量は同1.5%増の856.0トンと、2022年第1四半期(843.1トン)以来の低水準。ヘッジは8.1トン。一方で、リサイクル量は同4.8%増の310.4トンと、2020年第4四半期(328.9トン)以来の高水準となりました。ドル建て金価格が2000ドル台を回復する中、換金売りの動きが強まった模様。

 

世界の金需給(四半期別)

2022年Q1 2023年Q1 前年同期比
鉱山生産 843.1トン 856.0トン  1.5%
二次供給(スクラップ) 296.2トン 310.4トン  4.8%
ヘッジ(ネット・ベース)  25.9トン 8.1トン
総供給 1165.1トン 1174.4トン  0.8%
宝飾品 475.3トン 477.9トン  0.5%
宝飾品在庫 41.1トン 30.7トン -25.4%
テクノロジー 81.0トン 70.0トン  -13.5%
公的金購入 82.7トン 228.4トン 176.2%
投資(バー・コイン) 287.7トン 302.4トン 5.1%
金ETF 270.7トン -28.7トン
総需要 1238.5トン 1080.8トン -12.7%
需給バランス -73.3トン 93.6トン

※WGCの資料を基に豊トラスティ証券作成

 

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