世界の金ETFの金保有残高(四半期)

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産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が公表した「Gold-Backed ETF FLOWS」によると、2023年第1四半期(1-3月期)の世界の金ETF(上場投資信託)関連(179銘柄)の金保有残高は前期末比28.67トン減少の3443.79トンと、4四半期連続で減少となった。4四半期連続の減少は2013年第1四半期から2014年第4四半期にかけて8四半期連続で減少した以来の長さ。

地域別で見てみると、最も増加した地域は北米で、同10.33トン増加。4四半期ぶりに増加に転じた。その他地域も同1.88トン増となり、3四半期ぶりに増加に転じた。

一方、最も減少した地域は欧州で、同40.10トン減少。4四半期連続で減少となった。アジアも同0.78トン減少と、2四半期連続で減少した。

銘柄別で見てみると、調査対象の178銘柄のうち、45銘柄が前期末から増加し、115銘柄が減少。19銘柄は変わらずだった。最も増加したのは「iShares Physical Gold ETC(英国)」で同11.67トン増加。一方で、最も減少したのは「Invesco Physical Gold ETC(英国)」で同18.33トン減少した。

なお、3月は前月末比32.07トン増加と、11ヶ月ぶりに増加に転じた。3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)を受けて、米国の利上げ打ち止めが意識され始めたことに加えて、米中堅銀行の経営破綻やスイス金融大手クレディ・スイス・グループの経営危機を受けて、米欧の金融システムへの懸念が台頭。信用不安を受けて景気後退懸念が強まる中、「安全資産」として選好された様だ。

 

世界の金ETF 地域別金保有量(四半期)

2022年12月末

2023年3月末

前期末比

北米

1727.09トン 1737.42トン

10.33トン増

欧州

1565.88トン 1525.78トン

40.10トン減

アジア

118.72トン 117.94トン

0.78トン減

その他地域

60.77トン 62.65トン

1.88トン増

世界合計

3472.46トン 3443.79トン 28.67トン減

※WGCの資料を基に豊トラスティ証券作成

 

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