世界の金需要(四半期別)
↓クリックすると拡大します↓
産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が8月1日に公表した「Gold Demand Trends」によると、2023年第2四半期(4-6月)の世界金需要は前年同期比2.5%減少の920.7トンでした。2四半期連続でマイナスとなり、2021年第1四半期(1-3月、914.4トン)以来の低水準。4四半期ぶりに1000トンの大台を割り込んでおります。個人の金買いは旺盛だったものの、トルコ中央銀行の大量売却が響いた模様。
公的機関の金購入は102.9トンと、前期(284.0トン)から急減。前年同期(158.6トン)も下回りました。前述の様に、トルコ中銀の売却が主因。2022年第1四半期(82.4トン)以来、5四半期ぶり低水準となっております。
宝飾品需要は同3.1%増の475.9トンと、2四半期連続でプラス。バー・コインなど投資用需要も同6.2%増加の277.5トンと、5四半期連続でプラスとなっております。一方、金ETF(上場投資信託)関連の金需要はマイナス21.3トン。マイナス幅は前期(マイナス28.7トン)から縮小したものの、5四半期連続でマイナスとなりました。テクノロジー需要は同10.2%減の70.4トン。
需要を国別で見てみると、世界最大の金需要国である中国は同29.1%増加の181.5トン。ゼロコロナ政策の終了に伴う婚礼需要や、景気減速懸念から「安全資産」として買う動きが広がった模様。一方で、インドは同7.4%減少の158.1トン。ルピー安に伴いルピー建て金価格が高止まりする中、需要が落ち込んだ様です。
世界の金供給(四半期別)
↓クリックすると拡大します↓
世界金供給量は同6.7%増加の1255.2トンでした。プラスは2四半期連続。2020年第3四半期(7-9月、1279.8トン)以来の高水準となっております。
内訳を見ると、鉱山生産量は同3.8%増の923.4トンと、2四半期連続でプラス。WGCは、生産停滞はほとんどみられなかったとしております。リサイクル量は同13.0%増の322.3トンと、同じく2四半期連続でプラスとなり、2020年第4四半期(328.9トン)以来の高水準となりました。ドル建て金価格が2000ドル台を回復する中、換金売りの動きが強まった模様。
世界の金需給(四半期別)
2022年Q2 |
2023年Q2 |
前年同期比 |
|
鉱山生産 |
889.3トン | 923.4トン |
3.8% |
二次供給(スクラップ) |
285.3トン | 322.3トン |
13.0% |
ヘッジ(ネット・ベース) |
2.0トン | 9.5トン |
– |
総供給 |
1176.6トン | 1255.2トン |
6.7% |
宝飾品 |
461.7トン | 475.9トン |
3.1% |
宝飾品在庫 |
31.8トン | 15.4トン |
-51.5% |
テクノロジー |
78.3トン | 70.4トン |
-10.2% |
公的金購入 |
158.6トン | 102.9トン |
-35.1% |
投資(バー・コイン) |
261.2トン | 277.5トン |
6.2% |
金ETF |
-47.4トン | -21.3トン |
– |
総需要 |
944.2トン | 920.7トン |
-2.5% |
需給バランス |
232.5トン | 334.5トン |
– |
※WGCの資料を基に豊トラスティ証券作成
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。