中国の白金輸入量

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中国税関総署の統計によると、7月中国白金輸入量は前年同月比33.6%増加の9.74トンでした。2桁には届かなかったものの、11ヶ月ぶりに減少に転じた前月(4.30トン)を上回り、輸入量は急回復しております。過去1年間の平均値は10.74トン。2024年1-7月期累計では前年同期比64.9%増の68.78トン。

昨年6月以降、ドル建て白金価格は月間安値で900ドルを割り込んでおり、安値拾いの買いが入っていると見られてきましたが、4月以降は900ドルを維持。一方で、高値は1000ドルを上回るなど、高値を探る動きが続く中でも、4月は12.98トン、5月は11.19トンと、2桁の輸入量を維持していたものの、6月は4.30トンと急減しておりました。

元々需要を上回る量を輸入していると言われていただけに、単月だけでは判断しづらいところですが、再び輸入量が増加したことで、需要減退懸念が後退するか注目されます。

中国では昨年7月から自動車排出ガス規制「国六排出規制6b段階(国6b)」が導入されました。国6bは、欧州排出ガス規制「ユーロ6」よりも規制値が厳しく、米国の「ティア3」(2020年平均値)に相当するレベルとされます。

白金業界団体ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)によると、自動車触媒向けの白金需要の19%を中国が占めております(2023年)が、中国の景気減速懸念に加えて、世界的な脱炭素化の流れを背景に、中国でも電気自動車(EV)が急速に市場シェアを拡大しており、需要回復期待は後退しております。ただ、排ガス規制を強める中、中国は将来の需要増を見込んで実需以上に白金を輸入しているとの見方が出ております。

7月中国パラジウム輸入量は、前年同月比179.3%増加の3.74トンでした。増加は8ヶ月連続。前月(2.22トン)も上回り、昨年9月(4.34トン)以来の高水準となっております。過去1年間の平均値は2.80トン。2024年1-7月期累計では前年同期比64.1%増の19.62トン。国別で見ると、中国のパラジウム輸入先はロシアが最大であるが、7月は1.75トン(前月は1.48トン)。

 

中国のパラジウム輸入量

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