米個人消費支出(PCE)物価指数

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米商務省が8月30日に発表した7月米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.5%上昇。伸び率は前月と変わらずで、市場予想(2.6%上昇)を下回りました。価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は同2.6%上昇と、伸び率は3ヶ月連続で変わらず。市場予想(2.7%上昇)を同じく下回っております。FRBの物価目標である2%を引き続き上回って推移しているものの、インフレは落ち着いてきております。項目別では、耐久財などモノの価格は前年同月比横ばい。人件費の影響が大きいサービス価格は同3.7%上昇で、伸び率は鈍化が続いております。

物価の瞬間風速を映す前月比では総合指数が0.2%上昇と、前月(0.1%上昇)からやや加速。コア指数は前月と変わらずの0.2%上昇でした。

なお、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(8月30日時点)によると、9月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は70.0%、0.50%の利下げを行うとの見方は30%となっております。

また、12月のFOMCで4.25-4.50%まで政策金利を引き下げるとの見方は70.1%。現行水準から1.00%引き下げるとの見方は依然多く、残り3会合全てで利下げを行い、どこか1会合は0.50%の大幅利下げを行うと見られております。

7月米個人消費支出(PCE)物価指数を受けて、9月のFOMCでFRBが利下げを行うとの見方が強まった一方、FRBの物価目標である2%を引き続き上回って推移しているため、0.50%の利下げを行うとの見方が後退し、買い方の利喰い売りも出た様です。

今週は、9月6日発表の8月米雇用統計に注目が集まりそうです。2024年4-6月期米GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比3.0%増と、速報値(2.8%増)から上方修正されたことを受けて、米経済がソフトランディング(軟着陸)出来るとの期待が再度拡がる中、今回の利下げパターンは「予防的利下げ」に留まるとの見方も多くなっております。とは言え、パウエル議長が講演で、「米経済は堅調な成長を続けているが、雇用の下振れリスクは高まっている」と懸念を表明したため、労働市場がさらに悪化すれば、9月0.50%の大幅利下げを行うとの見方は根強い模様。

 

 

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