FF金利と米10年債利回り

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米労働省が9月2日に発表した8月米雇用統計(季節調整済み)によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月から31.5万人増となり、増加幅は前月(改定値、52.6万人)から鈍化。市場予想(30.0万人増)はやや上回ったものの、6、7月分は下方修正されました。また、失業率は3.7%と、前月比0.2ポイント悪化の3.7%に悪化(市場予想は3.5%)。労働参加率は前月から0.3ポイント上昇の62.4%で、3ヶ月ぶりに上昇に転じております。

平均時給は前年同月比5.2%上昇と、前月と同水準の高い伸び。前月比では0.3%増と、前月(0.5%増)から伸びが鈍化したものの、引き続き高い伸びが続いております。

労働市場の全般的な堅調さが続いていることが改めて示される結果となりました。FRBは、人手不足で賃金が上昇し、記録的なインフレをさらに押し上げるリスクを警戒しており、9月20、21日の両日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)で、3会合連続で通常の3倍となる0.75%の利上げを決めるとの見方が多い様です。

 

Fedウォッチ(9月)

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CMEが公表している「Fedウォッチ」(9月2日時点)によると、9月のFOMCでFRBが0.75%の利上げを行うと57.0%が予測。先週末(8月26日)時点の61.0%から低下したものの、依然多数派を占めております。0.50%の利上げを行うとの見方は43.0%でした(先週末時点は39.0%)。

 

Fedウォッチ(12月)

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また、12月のFOMC時点で政策金利について、45.5%が3.50%-3.75%と予測(先週末時点は44.4%)。今後年末にかけて1.25%の利上げが行われるとの見方が市場では依然多い様です。ただ、今後年末にかけて1.50%の利上げが行われる計算となる3.75%-4.00%との見方が44.9%と、先週末時点の40.9%から上昇しております。

なお、1.00%の利上げが行われる計算となる3.25%-3.50%の見方は9.2%で、先週末時点の13.5%から低下しております。

今週もブレイナードFRB副議長やシカゴ連銀のエバンス総裁などの講演が予定されており、FRB高官の発言に注目が集まりそうですが、9月8日にパウエルFRB議長は討論会に参加予定となっております。また、9月7日にはベージュブック(全米地区連銀経済報告)が公表されます。

また。9月8日には欧州中銀(ECB)定例理事会が開催されます。欧州でインフレ高進が止まらない中、0.75%の利上げ観測が拡がっておりますが、大幅利上げとなれば欧州景気の悪化懸念が一段と高まり、ユーロ安が加速する可能性もありそうです。

 

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