主要国の政策金利

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欧州中央銀行(ECB)は12月14日に、定例理事会を開催。主要政策金利を4.50%で据え置くことを決定しました。据え置きは2会合連続。インフレ率が急速に鈍化する中、現行の金利水準を長期間維持することで2%の物価目標を達成出来ると判断。市場で高まる利下げ観測を牽制しております。

ECBは声明で、昨年7月以降急速に実施した利上げが「経済に力強く浸透している」とし、インフレ率の押し下げに寄与したと評価。ただ、「(インフレ率が)再び一時的に上昇する可能性が高い」との懸念も表明。「政策金利は必要な限り、十分に景気抑制的な水準に設定される」との見通しを示しております。

なお、声明公表後の記者会見でラガルド総裁は、今後の金融政策について「マクロ経済指標や全体的な状況を考慮し、総合的に判断する」と強調。利下げについては「全く議論していない」と述べております。

また、英イングランド銀行(中央銀行、BOE)も金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を5.25%で据え置くと発表しました。据え置きは3会合連続。9人の委員のうち賛成は6人で、反対の3人は0.25%の利上げを主張。

BOEは声明で、「引き続き、金融政策は長期にわたり引き締め的にする必要があると判断した」と指摘。市場で高まっていた早期利下げ観測を牽制しております。

◆スイス中銀、2会合連続で政策金利を据え置き

スイス国立銀行(中央銀行)は12月14日に、政策金利を1.75%で据え置くことを決定しました。据え置きは2会合連続。インフレ圧力が直近の四半期でわずかに低下し、物価目標の0~2%の範囲内だったことが理由。

スイス中銀は声明で、インフレについて「不確実性は依然として高い」と指摘。電力価格と家賃上昇、付加価値税の引き上げにより、「今後数ヶ月で再び若干上昇する可能性がある」とし、引き続きインフレ動向を注視し必要に応じて対応する考えを示しました。また、今後の成長見通しについて「今後数四半期の成長は鈍化する可能性が高い」と言及。海外からの需要の低迷と資金調達環境の逼迫(ひっぱく)が影響していると分析しております。

◆ノルウェー中銀、0.25%利上げ

ノルウェー中央銀行は12月14日に、主要政策金利を0.25%引き上げて、4.50%にすることを決定しました。利上げは2会合ぶり。今後の金利水準については、しばらくの間維持する可能性が高いとの見通しを示しております。

ノルウェー中銀のバーチェ総裁は声明で、「経済は冷え込んでいるが、インフレは依然として高すぎる」と指摘。今回の利上げにより、長期間にわたって高止まりするリスクを軽減したとし、「今後しばらくは4.50%に維持される可能性が高い」と、次回会合で据え置く可能性を示唆しております。

 

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