ECBの政策金利

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欧州中央銀行(ECB)は11月23日に、定例理事会議事要旨(10月26日開催分)を公表。ユーロ圏のインフレ率は予想通り、あるいは予想よりもやや早く鈍化しているものの、ECBは利上げの可能性を選択肢として残す必要があるとの見解で一致していたことが明らかとなりました。ECBは10月の定例理事会で、政策金利の据え置きを決定。25年の歴史で最長となった連続利上げを打ち切っております。

議事要旨によると、「たとえ追加利上げが現在の基本シナリオに含まれていないとしても、理事会は継続的な評価に基づき、必要であれば追加利上げに備えるべきであるとの見解を示した」と指摘。一方で「全体として、ディスインフレのプロセスはほぼ予想通りに進んでおり、どちらかといえば、ディスインフレのプロセスは予想より幾分早く進んでいる」としました。それでも政策当局者は、労働市場の逼迫は引き締め効果を低下させる可能性があり、過去の利上げの影響の多くはまだ十分に感じられていないとして、最近の驚くほど良好なデータを深読みすることに慎重な姿勢を示しております。

政策当局者は「インフレ率を目標に戻す『ラストマイル』が最も難しいと一般に考えられていた。現段階でインフレに対する勝利を宣言することには慎重だ」としております。

なお、1兆7000億ユーロのパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の再投資の早期終了については、議論がほとんど行われず、政策当局者はそのような議論は時期尚早と結論付けていることも示されました。ECBは10月の定例理事会で、PEPPについて来年末まで継続すると改めて表明。一部の当局者は前倒し終了を求めていたものの、ラガルド総裁は債券保有高の早期削減は議論されなかったと述べております。

 

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