ECBの政策金利
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欧州中央銀行(ECB)は10月30日に定例理事会を開催し、政策金利を据え置くことを全会一致で決定しました。据え置きは7月、9月会合に続いて3会合連続。物価が目標近辺で推移する中、現行の金利水準を維持することが適切と判断した模様。
ECBは声明で、「インフレ率は中期的な目標である2%に近い水準にあり、理事会の物価見通しに対する評価はおおむね変わっていない」とし、「厳しい世界的環境にもかかわらず、経済は拡大を続けている」としました。また、力強い労働市場、堅固な民間部門のバランスシート、過去の利下げによる支えが経済を支援していると指摘しております。
声明公表後の記者会見で、ラガルド総裁は欧州と米国の通商合意のほか、パレスチナ自治区ガザでの停戦や米中首脳会談で合意された関税引き下げなどを挙げ、「経済成長の下振れリスクは和らいだ」と指摘。「金融政策の観点から、我々は良好な位置にある」と述べております。ただ、「良好な状況を維持するために必要な措置はなんでも講じる」とも語り、政策変更の可能性そのものは排除しない姿勢を見せております。
◆ECB、2029年にもデジタルユーロ発行へ
欧州中央銀行(ECB)は10月30日に、独自のデジタル通貨(CBDC)「デジタルユーロ」を2029年にも発行すると発表。2026年中に関連法制を整え、2027年半ばに試験運用を始めるとしております。実現すれば、日米欧の主要中銀としては初のCBDCとなります。デジタルユーロは現金を補完し、ユーロ圏で誰もが無料で利用出来る公的なデジタル決済手段と位置付けられております。
ECBは、法定通貨と連動する「ステーブルコイン」を通じたドル覇権の強まりを警戒しており、デジタルユーロの導入で欧州の通貨主権と経済安全保障を確保する構え。なお、ラガルド総裁は声明で「ユーロ紙幣を未来に適合したものにするため、その再設計と近代化を進める」と強調しました。
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