米国の政策金利

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FRBは7月29、30日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年4.25~4.50%で据え置くことを賛成多数で決定しました。据え置きは5会合連続。なお、ボウマン副議長(金融規制担当)とウォラー理事の2人が、今会合での0.25%の利下げを主張し、反対票を投じております。副議長を含めた理事が2人「造反」するのは1993年12月以来約32年ぶり。また、クグラー理事が欠席し、投票しなかった模様。

なお、声明文で景気について「今年前半、緩やかになった」と指摘。「堅調なペースで拡大した」とした前回声明での景況判断を弱めております。

声明公表後の記者会見で、パウエル議長はインフレ率は目標を若干上回る一方、雇用最大化の目標は達成しており、会合参加者の大多数が「若干引き締め的な政策が求められる」との見解だったと説明。

次回9月会合での利下げの可能性については、今の金融環境が「不適切に引き締められているとは考えていない」と述べた上で、「9月については何の決定もしていない」と強調。今後のデータ次第だと従来からの見解を繰り返し、次回会合まで2ヶ月分の雇用、物価統計を見極める方針を示しております。

また、FOMCの大半のメンバーが、インフレが目標を若干上回る一方、雇用最大化の目標は達成しており、「小幅に景気抑制的」な政策スタンスを求めたことを明らかにしました。関税の物価への影響について「基本シナリオでは一時的」との見解を示したが、「より持続する可能性もある」と警戒感を示しております。

6月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇と、2ヶ月連続で伸びが加速した一方、6月米失業率は4.1%と、低水準にとどまっており、FRBは利下げを急ぐ状況にはないとの見方が多いようです。ただ、次回9月会合までに発表される2ヶ月分の雇用・物価統計に変調が見られるようですと、8月下旬に開催される「ジャクソンホール会議」でパウエル議長が9月会合での利下げを示唆する可能性もありそうです。

なお、トランプ米大統領が第1次政権で理事に指名したボウマン副議長とウォラー理事が、利下げを求めて反対票を投じましたが、パウエル議長の発言や声明文を見る限り、市場では早期の利下げを主張したのは2人のみだったとみられております。ウォラー氏は次期FRB議長の候補として名前が挙がっており、政治的意図で利下げを求めたとの見方も出ていますが、改めてFOMCメンバーの間で物価や雇用の見解が分かれていることが浮き彫りとなっております。

 

 

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