FF金利と米10年債利回り

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FRBは7月26、27日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、前回6月会合に続いて通常の3倍となる0.75%引き上げて、年2.00~2.50%にすることを全会一致で決定しました。利上げは4会合連続。

声明公表後の記者会見で、パウエル議長は次回会合での利上げペースについてデータ次第としながらも、「インフレはあまりに高すぎる」とし、「(9月の)次回会合で、さらに異例の大幅利上げが適切となる可能性がある」と明言。また、今回の0.75%利上げで「速やかに(景気を過熱も抑制もしない)中立的な金利水準とした」と指摘した上で、政策金利を少なくとも「若干景気抑制的とする水準に引き上げる必要がある」と述べました。

一方で、個人消費の勢いには一部で陰りも見え始め、市場で大幅利上げが景気後退を招くとの懸念が強まる中、パウエル氏は「消費の伸びは大きく鈍化した」と述べ、景気減速が目立ち始めていることを認めました。ただ、労働市場の需給が引き締まっている点を強調し、米経済は「景気後退に陥っていない」と主張。景気後退は幅広い経済分野での縮小を指すが、「それは見受けられていない」と述べております。

FF金利が2.50%まで引き上げられ、FOMCメンバーが想定している景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」に達しました。FOMCメンバーは6月時点で年末時点の政策金利を3.375%としており、シナリオ通りなら今年残り3回の会合で利上げペースが鈍る見通しとなります。

ただ、パウエル議長は今後の利上げペースについてデータ次第と述べております。9月のFOMCまでにインフレ関連指標や、米雇用統計は7月、8月と2ヶ月分発表されますが、インフレ高進が収まらなければ、再度1.00%の利上げ観測が再燃する可能性もありそうです。

一方で、急速な金融引き締めによるリセッション(景気後退)懸念が強まっております。

今晩は2022年4-6月期米GDP(国内総生産)速報値が発表されますが、市場の一部では1-3月期(前期比年率1.6%減)に続いてマイナス成長を予想する向きもあり、統計上の定義としてはリセッション(景気後退)となる可能性があります。

最終的な判断は全米経済研究所(NBER)の判定次第となりますが、仮にマイナス成長となれば利上げ打ち止め観測も出てきそうです。

 

Fedウォッチ

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最後に、CMEが公表している「Fedウォッチ」によると、7月27日時点で12月のFOMCで想定されるFF金利は3.50%が47.0%を占め、一番多くなっております。

現状では、市場では利上げペースを緩めながら、FOMCメンバーが想定している目標(3.375%)までFF金利が引き上げられるとの見方が多い様です。なお、4.00%を想定する割合は2.5%となっております。

 

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