米消費者物価指数
↓クリックすると拡大します↓
FRBは7月9日に、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(6月17、18日開催分)を公表。大半の参加者が、トランプ米政権の高関税政策によるインフレ上振れ圧力が「一時的か小幅」にとどまる可能性を指摘。年内に政策金利を「いくらか引き下げることが適切になり得る」との認識を示したことが明らかとなりました。
米経済が堅調さを保つ一方、関税政策を巡る不透明感が続く中、参加者全員が据え置きが適切との見方を示した模様。大半の参加者は、年内の利下げ再開が適切な背景として、市場などでの中長期的なインフレ見通しが十分固定されており、景気や労働市場が鈍化する恐れにも言及。2人が、早ければ今月末の次回会合で利下げを検討する可能性を示唆したようです。
一方、一部の参加者は、関税引き上げを受け、短期的なインフレ見通しの上昇を踏まえ、「インフレ上振れリスクは引き続き大きい」と警戒。経済も底堅さを維持しており、年内の政策金利維持が最善になり得ると主張。FOMC内で利下げのタイミングを巡って見解が割れていることがうかがえる内容となっております。
◆トランプ米大統領、また利下げ要求
トランプ米大統領は7月9日に、米国の政策金利が「少なくとも3ポイント高すぎる」とし、FRBに対して、利下げするよう改めて要求しました。トランプ氏は自身のSNSに、「『遅すぎ』によって、米国は1ポイントにつき年間3600億ドルの借り換えコストを負担している。インフレはなく、企業が米国に流入している。『世界で最も熱い国』だ!金利を下げろ!!!」と投稿しております。
◆次期FRB議長候補、2人が有力
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは7月9日に、FRBのパウエル議長の後任について、ウォーシュ元FRB理事と、ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長の2人が有力となったと報じました。ウォーシュ氏は早くから有力視されていたが、エコノミストでもあるハセット氏が急浮上しております。
ウォーシュ氏はFRB理事時代、FRBがリーマン・ショック後の金融・経済危機に対応するために導入した量的緩和に慎重な姿勢を示したとされ、「タカ派」とみられております。そのため、パウエル議長に対して再三利下げを要求しているトランプ米大統領が指名するか疑問視する声が多いようです。一方、ハセット氏は第1次トランプ米政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務め、トランプ氏に近いとされます。
同紙によると、トランプ氏は6月に、次期FRB議長ポストに関して、ハセット氏と少なくとも2回面会。ウォーシュ氏も今月、政権内の経済閣僚との面会が取り沙汰されている模様。
なお、トランプ氏は6月25日に、次期FRB議長について「3、4人の候補者がいる」と発言。米メディアは、ウォーシュ元FRB理事、ハセット氏、ウォラー現FRB理事、ベッセント財務長官が含まれると報じております。
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。