米長期金利
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FRBは、10月11日にFOMC(米連邦準備制度理事会)議事要旨(9月19、20日開催分)を公表。参加者の大多数は年内にあと1回の利上げが必要だと判断したものの、政策決定は「慎重に進める」との意見が目立ち、金融引き締めが行き過ぎることへの警戒もにじませております。
参加者は、インフレは緩やかになったものの「受け入れがたいほど高いまま」だと強調。2%の物価目標達成を確信するには、さらなる裏付けが必要だと指摘しました。労働市場の逼迫が続いており、多くの参加者がインフレの上振れリスクがあると判断した模様。また、数人の参加者は、政策金利がピーク付近に達している中、「政策決定と(外部との)コミュニケーションの焦点を、政策金利を引き上げる水準から、景気制限的な水準を継続する期間に移行するべきだ」と述べた様です。
FedWatch(2023年11月開催分)
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なお、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(10月11日時点)によると、11月のFOMCでFRBが0.25%の利上げを行うとの見方は8.5%(先週末は27.1%)に低下。据え置きは91.5%(同72.9%)となっており、最近のFRB高官のハト派な発言を受けて、市場では11月も政策金利が据え置かれるとの見方が拡がっております。
また、12月のFOMCで政策金利が5.50%-5.75%と見る向きは26.1%(先週末は36.7%)、5.25%-5.50%と見る向きは72.1%(先週末は57.6%)となっており、利上げ打ち止め感が拡がっております。
FedWatch(2023年12月開催分)
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◆最近のFRB高官の発言
・FRBのボウマン理事は10月11日に、「国内支出は力強いペースが続いており、労働市場は依然タイトだ。さらなる利上げが必要になる可能性があることを示している」と述べ、追加利上げに積極的な姿勢を示しました。
・FRBのウォラー理事は10月10日に、インフレ率を目標の2%まで低下させるというFRBの決意を改めて表明。ただ、経済の見通しや金融政策についてはコメントせず。
・FRBのジェファーソン副議長は10月9日に、「追加的な金融引き締めが必要な程度を慎重に評価する段階にきている」との認識を示しました。景気は底堅く、インフレは沈静化してきているものの、「経済見通しの不確実性が高く、複数のリスクがある」と指摘。一方で、最近の長期金利上昇にも言及。「債権利回り上昇による金融環境のタイト化を認識し、政策の道筋を評価する際に考慮する」と述べました。
・アトランタ連銀のボスティック総裁は10月10日に、FRBは「これ以上利上げする必要はない」という見解を示しました。また、これまでの利上げで米経済が減速しインフレ率が鈍化しても、リセッション(景気後退)に陥ることはないと見ているとしております。
・ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は10月10日に、最近の長期国債利回りの上昇が、FRBの利上げ幅の縮小を意味する「可能性がある」と述べました。
・クリーブランド連銀のメスター総裁は10月6日に、非常に強い内容となった9月米雇用統計によって、自身の雇用情勢に対する見方は変わらないと発言。FRBによる追加利上げの必要性を巡っては、今後の統計次第との認識を示しました。
・ダラス連銀のローガン総裁は10月9日に、最近の米長期債利回りの上昇と金融情勢の引き締まりは急速ではあるが、「秩序だった」ものであり、FRBによる追加利上げの必要性を低下させる可能性があると述べました。
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