ドットチャート(FOMCメンバーの金利見通し)

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FRBは6月14、15日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を通常の3倍となる0.75%引き上げて、年1.50~1.75%にすることを賛成多数で決定しました。引き上げは3会合連続で、0.75%の上げ幅は1994年11月以来27年半ぶり。なお、カンザスシティー連銀のジョージ総裁は0.50%の利上げを主張して反対票を投じました。

声明公表後の記者会見でパウエル議長は、7月の次回会合において「0.50%か0.75%利上げの可能性が高い」と明言。インフレ抑制への意欲を示した一方で、0.75%幅の利上げ定着への懸念を否定しました。

パウエル氏は、FOMC前に、6、7月のFOMCで、通常の2倍となる0.50%の大幅利上げを行う方針を明言していたものの、先週末に発表された5月米消費者物価指数(CPI)は40年5ヶ月ぶりの高水準を記録。家計や企業の負担が増える高インフレが和らぐ兆しが見えないため、「異例の大きさ」の利上げが必要と判断したと述べております。

FOMCメンバーの経済見通しで、2024年末の失業率が4.1%へ悪化すると見込まれましたが、パウエル氏は「労働市場の強さを保ちつつ、インフレを2%の目標に低下させるのは困難」と認めました。ただ、景気後退に向かおうとしているわけではないと強調。また、インフレが2%台に低下する一方、成長率も1%台に減速すると見込まれていることについては、「ソフティッシュな(柔らかな)ランディング(着陸)」を示していると述べております。

なお、声明と同時に公表されたFOMCメンバー18人の経済・金利見通し(SEP)で、FF金利見通し中央値は2022年末が3.375%、2023年末が3.750%となりました。3月末時点の見通し(2022年末が1.875%、2023年末が2.750%)から大幅な上方修正となり、一段と速いペースでの利上げが示唆されております。2024年は3.375%と予測されており、利下げに転じる見込み。

 

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