FOMCメンバーの金利見通し(ドットチャート)

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FRBは12月12、13日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年5.25~5.50%で据え置くことを全会一致で決定しました。据え置きは3会合連続。

FRBは声明で、インフレ率は依然として高止まりしているとしながらも「この1年で緩和した」と指摘。インフレ率を目標の2%に戻すために適切な「いかなる追加的な金融政策の引き締めの程度」を決めるに当たっても、経済と金融の動向を考慮すると表明しました。

声明公表後の記者会見で、パウエルFRB議長は足元でのインフレ率の鈍化傾向を「非常に良いニュースだ」と歓迎した上で、「政策金利は引き締め局面のピークに達しているか、それに近い水準にある」と述べ、利上げ打ち止めを示唆。さらに適切な利下げ開始時期に関し、「視野に入り始めており、この日協議した」ことを明らかにしております。

一方で、会合参加者が「追加利上げを選択肢から外すことを望んでいない」と繰り返し言及。「インフレが依然として高過ぎる」との見方を維持し、政策の方向性のバランスを取ることに腐心しております。

インフレ低下に関しては、「進展が見られている」と評価。ただ、「勝利宣言には早すぎる」と慎重な姿勢を示し、「インフレが2%の目標に向かって大きく下がると確信をもたらすような、さらなる証拠を目の当たりにする必要がある」と発言。景気に関しては、「7-9月期に見受けられた著しいペースから大幅に減速した」と分析しております。

 

米国の政策金利

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声明と同時に公表されたFOMCメンバー19人の経済・金利見通し(SEP)で、2024年末のFF金利見通し中央値は年4.625%と、0.25%幅で3回の利下げシナリオが示されました。9月時点の見通し(5.125%)の2回から一段の引き下げ加速が想定されております。2024年末の政策金利が現在の水準を上回ると予想した政策担当者は皆無でした。

また、2025年末のFF金利見通し中央値は年3.625%(9月時点の見通しは3.875%)、2026年末のFF金利見通し中央値は年2.875%(9月時点の見通しは2.875%)と想定されております。

2024年10-12月期米実質GDP(国内総生産)は前年同期比1.4%増(9月時点の見通しは1.5%増)、2024年10-12月期の米コア個人消費支出(PCE)物価は2.4%(9月時点の見通しは2.5%)に、それぞれ下方修正。2024年末の米失業率は現在の3.7%から4.1%に上昇するとし、9月時点の見通しで据え置いております。

 

FOMCメンバーの経済見通し

実質GDP

失業率 PCE

コアPCE

2023年末

2.6%(2.1%) 3.8%(3.8%) 2.8%(3.3%)

3.2%(3.7%)

2024年末

1.4%(1.5%) 4.1%(4.1%) 2.4%(2.5%)

2.4%(2.6%)

2025年末

1.8%(1.8%) 4.1%(4.1%) 2.1%(2.2%)

2.2%(2.3%)

2026年末

1.9%(1.8%) 4.1%(4.0%) 2.0%(2.0%)

2.0%(2.0%)

長期見通し

1.8%(1.8%) 4.1%(4.0%) 2.0%(2.0%)

※実質GDP(国内総生産)とインフレ率は各年第4四半期時点の前年同期比

※カッコ内は9月時点の見通し

※FRBの資料を基に豊トラスティ証券作成

 

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