米消費者物価指数

↓クリックすると拡大します↓

 

FRBは4月30日、5月1日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年5.25~5.50%で据え置くことを全会一致で決定しました。据え置きは6会合連続。FRBは声明で、インフレ鈍化について「ここ数ヶ月、一段の進展がない」と明言。当面は金利を維持し、経済動向を慎重に見極める意向を示しました。

声明公表後の記者会見で、パウエル議長は利下げ開始の前提となるインフレの持続的な鈍化の確信を得るには「予想よりに時間が掛かる可能性がある」と指摘。「妥当な限り、金利を現行水準で維持する用意がある」と述べ、高金利が長期化する可能性に言及しました。

一方、現在の景気抑制的な金融政策で需要は押し下げられると予想。「次の政策変更が利上げである公算は小さい」と明言。利下げ時期については、インフレ鈍化持続の「確信が得られれば視野に入るが、正確な時期は分からない」と述べております。

また、「個人的には今年、インフレ鈍化の進展を予想している」と言明。米国の経済成長は「依然として健全な水準」とし、「スタグフレーション(景気停滞とインフレの併存)」への懸念を否定しております。

強い米経済と、FRBの利下げ観測後退を受けて、ドル高が進行しているが、パウエル氏は各国中銀の金融政策の違いによるリスクは「起きうる」と言明。ただ、新興国の金融政策枠組みがしっかりしていることから、「20~30年前には頻発していた動揺は見受けられていない」と述べております。

また、6月から量的引き締め(QT)のペースを緩めることを正式に決定。保有する米国債の削減額の上限を月600億ドルから月250億ドルに引き下げております。なお、パウエル議長は、改めて金融引き締めを緩める意図はないと説明しております。

 

FedWatch(フェドウォッチ)

↓クリックすると拡大します↓

 

CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(5月1日時点)によると、6月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は9.1%。7月は27.9%、9月は55.2%となっており、市場が想定するFRBの利下げ開始時期は9月がコンセンサスになりつつあります。

また、市場が想定する12月時点のFF金利は5.00%-5.25%が最多となっており、FRBが今年利下げを行う回数は年1回で変わらず。

また、年内はFF金利が据え置かれるとの見方は19.0%。今のところ主流な見方ではないものの、今後の経済指標次第では、利下げが来年に先送りされる可能性もありそうです。

 

FRBの資産推移

↓クリックすると拡大します↓

 

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。