FOMCメンバーの金利見通し

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FRBは6月11、12日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年5.25~5.50%で据え置くことを決定しました。据え置きは7会合連続。

FRBは声明で、「インフレが持続的に2%へ向かうという、より大きな確信を得るまで、利下げは適切と考えていない」との方針を堅持。一方、インフレ鈍化では「ここ数ヶ月、一段の小幅な進展があった」との認識を示しました。前回会合では「進展がなかった」としておりました。

声明公表後の記者会見で、パウエル議長はインフレが持続するなら「妥当な限り、金利を現行水準で維持する用意がある」と強調。今後の政策決定に関し「会合参加者すべてが経済指標次第で行うことで一致した」と述べております。

5月米消費者物価指数(CPI)の伸び率が2ヶ月連続で鈍化し、市場予想を下回ったことについては「正しい方向への1ステップだ」と歓迎すると共に、「このような数字がさらに得られることを望む」としております。

また、ドル高進行については、米経済の強さを反映しているとの見方を示した。ドル高の米経済への影響は「利益も損失ももたらしていない」とした一方で、為替相場の水準を管理するのはFRBの仕事ではないと述べました。

声明と同時に公表されたFOMCメンバー19人の経済・金利見通し(SEP)で、2024年末のFF金利見通し中央値は年5.125%(3月時点の見通しは4.625%)に引き上げられ、0.25%幅で1回の利下げシナリオが示されました。3月時点での見通しは3回でした。参加者の8人が2回、7人が1回、4人がゼロと回答。パウエル議長は会見で、「非常に僅差だ」と発言。どちらの見方も「私にはもっともらしく見える」と違いの無さを強調しております。

2025年末のFF金利見通し中央値は年4.125%(3月時点の見通しは3.875%)に引き上げられたものの、年4回の利下げを想定。3月時点での見通しは3回でした。2026年末のFF金利見通し中央値も年3.125%で据え置かれたものの、利下げ回数は年4回に引き上げられております(3月時点の見通しは年3回)。また、長期見通しは2.750%(3月時点の見通しは2.625%)に上方修正。

2024年10-12月期米実質GDP(国内総生産)は前年同期比2.1%と、3月時点の見通しで据え置かれております。2024年末の米失業率も4.0%と、3月時点の見通し(4.0%)と変わらず。

2024年10-12月期の米コア個人消費支出(PCE)物価は2.8%と、3月時点の見通し(2.6%)から引き上げております。依然としてFRBの物価目標である2%を上回ると予測されております。

 

FOMCメンバー(19人)の金利見通し

  年末中央値 年間利下げ回数
2024年末 5.125%(4.625%) 1回(3回)
2025年末 4.125%(3.875%) 4回(3回)
2026年末 3.125%(3.125%) 4回(3回)
長期見通し 2.750%(2.625%)  
合計   9回(9回)

※カッコ内は3月時点の見通し、豊トラスティ証券作成

 

 

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