FOMCメンバーの金利見通し(ドットチャート)

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FRBは3月19、20日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年5.25~5.50%で据え置くことを全会一致で決定しました。据え置きは5会合連続。

FRBは声明で、「インフレが持続的に2%へ向かうと、より大きな確信を得るまで、利下げは適切と考えていない」と指摘。利下げ開始の判断では、経済指標の精査を重視する意向を示しております。

声明公表後の記者会見で、パウエルFRB議長は経済状況は良好な一方で、インフレの鈍化に関して「十分な進展は続く」との見通しを示しました。また、2月のインフレ統計は予想より高かったものの、「ひどく高いわけではない」と強調。インフレが低下進展するとの「全般的なストーリーは変わっていない」と述べております。

また、量的引き締め(QT)について「かなり早い時期に(バランスシートの)縮小ペースを鈍化させることが適切になる」と指摘。ただ、その具体的な時期については明言せず、当局者が現在この問題について議論していると述べるにとどめております。

 

米国の政策金利

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声明と同時に公表されたFOMCメンバー19人の経済・金利見通し(SEP)で、2024年末のFF金利見通し中央値は年4.625%(昨年12月時点の見通しは4.625%)と、0.25%幅で3回の利下げシナリオが維持されております。

一方、2025年末のFF金利見通し中央値は年3.875%(昨年12月時点の見通しは3.625%)と、利下げ回数が4回から3回に減少。2026年末のFF金利見通し中央値も年3.125%(昨年12月時点の見通しは2.875%)に引き上げ。長期見通しも2.625%(昨年12月時点の見通しは3.500%)に引き上げられるなど、政策金利はこれまでの見方よりも高めに推移する見通し。なお、パウエル氏は「金利はコロナ禍前の極めて低い水準には戻らない」と強調しております。

2024年10-12月期米実質GDP(国内総生産)は前年同期比2.1%増(昨年12月時点の見通しは1.4%増)へ大幅に引き上げ。2024年末の米失業率は現在の3.9%から4.0%に上昇するとしたものの、昨年12月時点の見通し(4.0%)からやや引き下げております。

2024年10-12月期の米コア個人消費支出(PCE)物価は2.4%で据え置かれたものの、エネルギーと食品を除くコアベースでは2.6%と昨年12月時点の見通し(2.4%)から引き上げております。依然としてFRBの物価目標である2%を上回ると予測されております。

 

FOMCメンバーの経済見通し

実質GDP

失業率 PCE

コアPCE

2024年末

2.1%(1.4%) 4.0%(4.1%) 2.4%(2.4%)

2.6%(2.4%)

2025年末

2.0%(1.8%) 4.1%(4.1%) 2.2%(2.1%)

2.2%(2.2%)

2026年末

2.0%(1.9%) 4.0%(4.1%) 2.0%(2.0%)

2.0%(2.0%)

長期見通し

1.8%(1.8%) 4.1%(4.1%)

2.0%(2.0%)

※実質GDP(国内総生産)とインフレ率は各年第4四半期時点の前年同期比

※カッコ内は昨年12月時点の見通し

※FRBの資料を基に豊トラスティ証券作成

 

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