OPECプラス参加国の原油生産量

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◆「OPECプラス」の産油量

石油輸出国機構(OPEC)によると、4月のOPEC加盟国の産油量は前月比日量6.2万バレル減少の日量2671.0万バレルと、2ヶ月連続で減少しました。加盟12ヶ国中、増加した国は3ヶ国。減少した国は9ヶ国でした。OPECの盟主であるサウジアラビアは前月比日量4.8万バレル増の日量901.0万バレルでした。

OPEC非加盟は前月比日量4.4万バレル減少の日量1420.6万バレルと、4ヶ月ぶりに減少に転じました。ロシアは前月比日量1.1万バレル増の日量898.1万バレル、カザフスタンは前月比日量4.1万バレル減の日量182.3万バレルでした。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」全体では前月比日量10.6万バレル減少の日量4091.6万バレルと、2ヶ月連続で減少しております。

◆IEA

国際エネルギー機関(IEA)は5月16日に公表した月報で、2025年の世界石油需要見通しを上方修正。前年比日量70万バレル増の日量1億0390万バレルとし、前月見通しから日量40万バレル引き上げております。2026年は日量1億0470万バレルと、同じく前月見通しから日量50万バレル上方修正。トランプ米政権の関税政策発動に伴う原油価格の下落で、アフリカなど新興国での需要が増えるとしております。ただ、経済的逆風や電気自動車(EV)の記録的な販売で年末にかけて原油需要が減退するとの見方を示しました。

世界石油供給見通しは、2025年は日量1億0460万バレル、2026年は日量1億0560万バレルとし、共に前月見通しから日量40万バレル上方修正。「OPECプラス」の有志国が5月会合で大幅増産を決めたことが要因。

◆EIA

米エネルギー情報局(EIA)は5月6日に、短期エネルギー見通し(STEO)を公表。

世界需給について、2025年世界原油生産量は前年比日量138万バレル増の日量1億0413万バレルと予測。前月見通し(日量1億0410万バレル)から日量3万バレル引き上げております。

世界石油消費量は前年比日量97万バレル増の日量1億0371万バレルと予測。前月見通し(日量1億0364万バレル)から日量7万バレル引き上げております。日量42万バレルの供給過剰となる見込み。

2026年世界原油生産量は前年比日量130万バレル増の日量1億0543万バレルと予測。前月見通し(日量1億0535万バレル)から日量8万バレル引き上げております。

世界石油消費量は前年比日量90万バレル増の日量1億0461万バレルと予測。前月見通し(日量1億0468万バレル)から日量7万バレル引き下げております。引き下げるのは2ヶ月連続。日量82万バレルの供給過剰となる見込み。

なお、中国の需要については、2025年は前年比日量22万バレル増の日量1653万バレル(前月見通しは日量1653万バレル)、2026年は前年比日量20万バレル増の日量1673万バレル(前月見通しは日量1673万バレル)と予測。共に、前月見通しで据え置いております。

◆OPEC

石油輸出国機構(OPEC)は5月14日に発表した月報で、2025年世界石油需要は前年比日量130万バレル増の日量1億0500万バレルとし、前月見通し(日量1億0505万バレル)から日量5万バレル下方修正。ただ、前年比の伸びは前月と変わらずでした。航空需要が堅調に回復し、途上国における工業、農業、建設活動が活発になるとしております。

2026年も前年比日量128万バレル増の日量1億0628万バレルと、前月見通し(日量1億0633万バレル)から日量5万バレル引き下げたものの、同じく前年比の伸びは前月と変わらずでした。

OPECは「OPECプラス」に参加していない、米国などの2025年石油供給の伸びについて、前年比日量80万バレル増とし、前月見通し(前年比日量90万バレル増)から下方修正。原油価格の下落を受けて、設備投資の減少が見込まれることが理由。

また、2025年世界経済成長見通しを2.9%とし、前月(3.0%)から下方修正。米国の1-3月期のマイナス成長をはじめ、世界の経済活動の減速を踏まえたとしております。米国の英国との貿易合意や中国への追加関税引き下げなどに触れ、貿易摩擦が緩和すれば、世界経済の不確実性は軽減すると予想しました。

 

 

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