国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は7月21日の声明で、中東情勢の緊迫化を受けて、原油市場の動向を注視していると述べました。ビロル氏は、「(原油輸送の要衝)ホルムズ海峡や中東地域のエネルギーインフラに悪影響を与える敵対行為のエスカレーションで、供給懸念と市場見通しの不透明感が強まった」と分析。紅海経由の代替ルートとして知られるバベルマンデブ海峡の通航にも脅威が及び、不安が増大しているという見方を示しました。

ただ、IEAの推計によれば、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)をはじめとする湾岸諸国の原油輸出量は「6月下旬のピークを下回るものの、3月初旬~6月中旬に比べかなり高い水準」を維持。また、米国やブラジル、ベネズエラ、カザフスタンが輸出を増やしたことで、海峡封鎖に伴う供給減は幾分相殺された模様。需要面では、中国が輸入量を米イラン軍事衝突以前の水準からほぼ半減させ、「市場安定化の重要な役割を果たしている」としております。

IEA加盟国が3月に決定した4億バレル規模の備蓄放出については、これまでに約2億9000万バレル分が実行され、放出は現在も続いていますが、「(加盟国は)政府管理の10億バレル以上を含め、相当量の緊急備蓄を保有している」と強調。その上で、ビロル氏は「敵対行為の激化や商業在庫の減少が続く中、楽観は許されない」と指摘。製油所の稼働や石油製品の供給は原油ほど回復しておらず、ディーゼル、ガソリンなどの石油製品の需給は「かなり逼迫した状況」だとし、「世界のエネルギー安保をこれ以上悪化させないためには、ホルムズ海峡の完全・無条件開放を含む紛争解決が不可欠だ」と訴えております。

 

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。