OPECプラス参加国の原油生産量

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◆「OPECプラス」の産油量

石油輸出国機構(OPEC)によると、3月のOPEC加盟国の産油量は前月比日量7.8万バレル減少の日量2677.6万バレルと、3ヶ月ぶりに減少に転じました。加盟12ヶ国中、増加した国は5ヶ国。減少した国は7ヶ国でした。OPECの盟主であるサウジアラビアは前月比日量0.4万バレル増の日量896.4万バレルでした。

OPEC非加盟は前月比日量4.1万バレル増加の日量1424.4万バレルと、3ヶ月連続で増加。ロシアは前月比日量1.0万バレル減の日量896.3万バレル、カザフスタンは前月比日量3.6万バレル増の日量185.2万バレルでした。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」全体では前月比日量3.7万バレル減少の日量4102.0万バレルと、3ヶ月ぶりに減少に転じております。

◆IEA

国際エネルギー機関(IEA)は4月15日に公表した月報で、2025年の世界石油需要見通しを下方修正。前年比日量73万バレル増とし、前月見通し(前年比日量103万バレル増)から引き下げております。貿易摩擦の激化が理由。

IEAは、トランプ米大統領による追加関税の影響で、石油需要の見通しが弱まっていると指摘。下方修正した需要は約半分が米国と中国で、残りは貿易依存度が高いアジア諸国だとしております。2026年については、世界石油需要の伸びはさらに鈍化し、前年比日量69万バレル増になると予測。

◆EIA

米エネルギー情報局(EIA)は4月10日に、短期エネルギー見通し(STEO)を公表。

世界需給について、2025年世界原油生産量は前年比日量135万バレル増の日量1億0410万バレルと予測。前月見通し(日量1億0417万バレル)から日量7万バレル引き下げております。引き下げは2ヶ月連続。

世界石油消費量は前年比日量90万バレル増の日量1億0364万バレルと予測。前月見通し(日量1億0413万バレル)から日量49万バレル引き下げております。引き下げは2ヶ月連続。日量46万バレルの供給過剰となる見込み。

2026年世界原油生産量は前年比日量125万バレル増の日量1億0535万バレルと予測。前月見通し(日量1億0578万バレル)から日量43万バレル引き下げております。引き下げは2ヶ月連続。

世界石油消費量は前年比日量104万バレル増の日量1億0468万バレルと予測。前月見通し(日量1億0530万バレル)から日量62万バレル引き下げております。引き下げるのは4ヶ月ぶり。日量42万バレルの供給過剰となる見込み。

EIAは、トランプ米政権の関税政策や石油生産を巡る最近の変化により、2026年までの世界石油需要の伸びが減速するとの見通しを示しております。

なお、中国の需要については、2025年は前年比日量22万バレル増の日量1653万バレル(前月見通しは日量1658万バレル)、2026年は前年比日量20万バレル増の日量1673万バレル(前月見通しは日量1680万バレル)とし、共に前月見通しから引き下げております。

◆OPEC

石油輸出国機構(OPEC)は4月14日に発表した月報で、2025年世界石油需要は前年比日量130万バレル増の日量1億0505万バレルとし、前月見通し(日量1億0520万バレル)から日量15万バレル下方修正。2026年も前年比日量128万バレル増の日量1億0633万バレルと、前月見通し(日量1億0663万バレル)から日量30万バレル引き下げております。

OPECは1-3月期の需要動向を踏まえたほか、米国の関税政策が石油需要に与える影響を反映したとしております。なお、2025年世界経済成長見通しは3.0%(従来見通しは3.1%)、2026年は3.1%(従来見通しは3.2%)に、それぞれ下方修正。世界的な貿易戦争を受けて「世界経済成長見通しには、不確実性がより高まっている」との見方を示しております。

中国の需要については、2025年は前年比日量27万バレル増の日量1695万バレルと、前月見通し(日量1699万バレル)から日量4万バレル下方修正。2026年は前年比日量21万バレル増の日量1716万バレルと、前月見通し(日量1725万バレル)から日量9万バレル引き下げております。

OPECは、中国政府の景気刺激策が国内消費を下支えするとし、堅調な需要を予測した一方、米中貿易摩擦の激化が景気の先行き不透明感を高め、石油需要に影響を及ぼす可能性があると指摘しております。

 

 

 

 

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