OPECプラス参加国の原油生産量
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◆「OPECプラス」の産油量
石油輸出国機構(OPEC)によると、OPEC加盟国と非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」全体の8月原油生産量は前月比日量50.9万バレル増加の日量4240.0万バレルと、5ヶ月連続で増加しております。
そのうち、OPEC加盟国は前月比日量47.8万バレル増加の日量2794.8万バレルと、5ヶ月連続で増加。OPECの盟主であるサウジアラビアは前月比日量25.9万バレル増の日量970.9万バレルと、5ヶ月連続で増加。2023年6月(日量998.8万バレル)以来の水準を回復しております。
OPEC非加盟国は前月比日量3.0万バレル増の日量1445.2万バレルと、3ヶ月連続で増加。ロシアは前月比日量5.0万バレル増の日量917.3万バレルと、5ヶ月連続で増加。また、カザフスタンは日量181.4万バレルと、前月比日量2.2万バレル減少したものの、「OPECプラス」で設定しているカザフスタンの生産枠(日量147.3万バレル)を引き続き大幅に上回っております。
◆IEA
国際エネルギー機関(IEA)は9月11日に公表した月報で、2025年の世界石油供給量が急増し、2026年に供給過剰が拡大する可能性があるとの見通しを示しました。同年に供給不足に陥るとした石油輸出国機構(OPEC)の月報とは対照的な内容となっております。
「OPECプラス」の有志国の増産決定や、他の産油国の増産見通しを受けて、2025年世界石油供給量を前年比日量270万バレル増と予測。従来見通し(日量250万バレル増)から上方修正。2026年は前年比日量210万バレル増と予測しております。
2025年の世界石油需要量は前年比日量74万バレル増と予測。従来見通しから日量6万バレル引き上げております。ただ、供給は需要を上回るペースで増加しているとの見方から、2026年には日量330万バレルの供給過剰になる見込み。
IEAは、ロシアとイランへの追加制裁による供給減の可能性がある一方、「OPECプラス」の増産や供給過剰観測もあり、石油市場は様々な要因により、様々な方向に引っ張られている」と分析しております。
◆EIA
米エネルギー情報局(EIA)は9月9日に公表した短期エネルギー見通し(STEO)で、2025年世界原油生産量は前年比日量235万バレル増の日量1億0554万バレルと予測。前月見通し(日量1億0536万バレル)から日量18万バレル引き上げております。上方修正は5ヶ月連続。
世界石油消費量は前年比日量90万バレル増の日量1億0381万バレルと予測。前月見通し(日量1億0372万バレル)から日量9万バレル引き上げております。上方修正は3ヶ月連続。日量173万バレルの供給過剰となる見込み。
2026年世界原油生産量は前年比日量110万バレル増の日量1億0664万バレルと予測。前月見通し(日量1億0635万バレル)から日量29万バレル引き上げております。上方修正は3ヶ月連続。
世界石油消費量は前年比日量128万バレル増の日量1億0509万バレルと予測。前月見通し(日量1億0491万バレル)から日量18万バレル引き上げております。上方修正は3ヶ月連続。日量155万バレルの供給過剰となる見込み。
中国の需要については、2025年は前年比日量24万バレル増の日量1655万バレル(前月見通しは日量1655万バレル)、2026年は前年比日量24万バレル増の日量1679万バレル(前月見通しは日量1680万バレル)と予測。
◆OPEC
石油輸出国機構(OPEC)は9月11日に公表した月報で、2025年世界石油需要は前年比日量130万バレル増の日量1億0514万バレル、2026年は前年比日量138万バレル増の日量1億0652万バレルと、共に前月見通しで据え置いております。
中国の需要については、2025年は前年比日量20万バレル増の日量1685万バレル、2026年は前年比日量20万バレル増の日量1705万バレルと、共に前月見通しで据え置き。
OPECは、世界経済成長見通しも据え置き、安定した成長軌道にあることを示す兆候が続いているとしております。ただ、米国など主要経済圏での政府債務の拡大や米長期金利の上昇圧力が「近い将来の注意深い監視を必要とする可能性がある」と警告。米貿易政策を巡る不確実性についても、経済の重しとなる可能性を指摘しました。
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