OECD加盟国の原油在庫
↓クリックすると拡大します↓
◆IEA
国際エネルギー機関(IEA)は5月16日に公表した月報で、景気後退の可能性に対する懸念の高まりで原油価格が過去数週間下落しているものの、2023年下半期は需給逼迫になるとの見方を示しました。IEAは、「現在の市場に対する悲観論は、今年下半期に予想される需給逼迫とは対照的だ。下半期の需要は供給を日量約200万バレル上回る見通しだ」としております。
2023年世界石油需要見通しは前年比日量220万バレル増の日量1億0200万バレルと予測。前月見通しから日量10万バレル上方修正しております。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う規制解除後に、中国の需要が予想以上に回復し、3月の需要は過去最高の日量1600万バレルに達したとしております。中国は、2023年世界石油需要の伸びの60%近くを占め、先進国の需要低迷を相殺するとみている様です。
なお、4月ロシア原油・石油製品輸出量は日量830万バレルと、ウクライナ侵攻後で最も多かった模様。先進7ヶ国(G7)などの制裁で取引価格に上限が設けられているため、収入確保に向けて中国やインドなどアジアへの輸出を増やしたとしております。
◆EIA
米エネルギー情報局(EIA)は5月9日に発表した短期エネルギー見通し(STEO)で、2023年世界石油消費量を前年比日量156万バレル増の1億0099万バレルと予測。前月見通しから日量12万バレル上方修正。一方、2024年は前年比日量172万バレル増の1億0271万バレルと予測。前月見通しから日量13万バレル下方修正しております。
なお、エネルギー需要の伸びにより、世界石油需給は2023年7-9月期から2024年1-3月期にかけて均衡を取り戻すと予測しております。
◆OPEC
石油輸出国機構(OPEC)は5月11日に発表した月報で、2023年世界石油需要は前年比日量233万バレル増の日量1億0190万バレルと予測。4月見通し(日量232万バレル増)とほぼ同水準となりました。
OPECは、「中国の経済活動が予想より好調だったため、小幅に上向き修正した。他地域では、石油需要を圧迫しそうな経済的な課題のため、わずかな減少が見込まれる」と説明しております。なお、中国の需要見通しは前年比日量80万バレル増と、3月見通し(日量76万バレル増)から上方修正しております。
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。