OECD加盟国の原油在庫

↓クリックすると拡大します↓

 

◆IEA

国際エネルギー機関(IEA)は、8月11日に月報を公表。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」による供給削減によって年内に石油在庫が減少し、石油価格が一段と上昇する可能性があるとの見方を示しました。また、2024年には経済的な逆風によって世界的な石油需要の伸びが制限されるとしております。

「OPECプラス」の現在の目標が維持された場合、石油在庫は第3四半期に日量220万バレル、第4四半期に日量120万バレル減少する可能性があり、価格がさらに上昇するリスクがあると指摘。「OPECプラス」による供給削減の深化は、マクロ経済に関するセンチメントの改善や史上最高の世界石油需要と相反するとしました。

一方、来年の需要の伸びが日量100万バレルに急減速すると予想。理由として、マクロ経済の低迷、パンデミック(世界的大流行)後の景気回復の失速、電気自動車(EV)の急速な普及を挙げております

2023年世界石油需要見通しを前年比日量230万バレル増の日量1億0220万バレルと予測。前月見通しから日量10万バレル引き上げました。過去最高を更新する見込み。新型コロナウイルスの規制解除の反動で、中国での石油化学製品の原料に対する需要の伸びが続いております。

また、ロシアの7月石油輸出収入が8ヶ月ぶり高水準となったとしております。原油価格の上昇が影響した。主要7ヶ国(G7)などがロシア産原油の取引価格に上限を設ける制裁を発動しているものの、中国やインド向けの旺盛な輸出が続いております。

◆EIA

米エネルギー情報局(EIA)は、8月8日に、短期エネルギー見通し(STEO)を公表。2023年世界原油生産量は前年比日量142万バレル増の日量1億0130万バレルと予測。前月見通し(日量1億0110万バレル)から日量20万バレル上方修正しました。

2023年世界石油消費量は前年比日量176万バレル増の日量1億0119万バレルと予測。前月見通し(日量1億0116万バレル)から日量3万バレル上方修正されたため、世界需給は日量11万バレルの供給過剰となる見込み。石油輸出国機構(OPEC)非加盟の生産量が大幅に増加するとしております。

2024年については、世界原油生産量は前年比日量170万バレル増の日量1億0300万バレル(前月見通しは日量1億0257万バレル)、世界石油消費量を前年比日量161万バレル増の日量1億0280万バレルと予測(前月見通しは日量1億0280万バレル)。世界需給は日量20万バレルの供給過剰となる見込み。

◆OPEC

石油輸出国機構(OPEC)は、8月10日に公表した月報で、2023年世界石油需要は前年比日量244万バレル増の日量1億0201万バレル、2024年は前年比日量225万バレル増の日量1億0425万バレルと予測。いずれも前月見通しで据え置いております。

なお、OPECは2023年下半期(7~12月)の石油市場のファンダメンタルズは健全との見通しを示し、2024年の石油需要は堅調との従来予想を据え置きました。世界経済成長見通しが、やや改善したことを理由に挙げております。

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。