IMFの世界経済見通し

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国際通貨基金(IMF)は7月16日に、最新の世界経済見通しを公表。2024年世界成長率を3.2%と予測。前回4月時点の見通しで据え置きました。2025年は3.3%と、4月時点の見通しから0.1ポイント上方修正。

IMFは経済の減速よりも、堅調さを保つ主要国の需要がインフレの高止まりにつながるリスクを警戒。世界の物価上昇率は2023年に大きく鈍化したものの、2024年はサービス価格の上昇が根強く、保護主義的な貿易規制の増加も国際的な商品価格の押し上げ圧力になるとしております。

 

IMFの経済見通し(国別)

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また、中央銀行が利下げを急ぎすぎるべきではないとし、高インフレが続く様なら「さらなる引き締めに前向きであるべきだ」と訴えました。2024年は主要国で大型の選挙が続く「選挙イヤー」で、財政拡大となり易く、インフレを押し上げる要因になる可能性があるため、将来の支出増に備えて健全化を進めるべきだと主張しました。

国・地域別(2024年)で見てみると、米国は2.6%と、4月時点の見通しから0.1ポイント引き下げております。消費鈍化などで1-3月期の成長率が予想を下回ったことが理由。一方、ユーロ圏は0.9%と予測。サービス分野の堅調さを受けて、同0.1ポイント引き上げております。

中国は同0.4ポイント引き上げて5.0%と予測。1-3月期の個人消費回復や堅調な輸出を反映。ただ、2025年は同0.4ポイント引き上げたものの、4.5%に低下すると予測。また、社会の高齢化や生産性の伸び鈍化で、2029年までに3.3%へ減速すると見込んでおります。

インドは同0.2ポイント引き上げて7.0%と予測。地方で個人消費見通しが改善していることが理由。

日本は同0.2ポイント引き下げて0.7%と予測。認証不正問題による一部自動車メーカーの生産停止や、民間投資の鈍化が要因。ただ、IMFは春闘での大幅な賃上げが「年後半からの個人消費好転を支える」と予測しております。

 

IMFの世界経済見通し

2023年

2024年

2025年

世界全体

3.3% 3.2%(0.0)

3.3%(+0.1)

米国

2.5% 2.6%(-0.1)

1.9%(0.0)

ユーロ圏

0.5% 0.9%(+0.1)

1.5%(0.0)

英国

0.1% 0.7%(+0.2)

1.5%(0.0)

中国

5.2% 5.0%(+0.4)

4.5%(+0.4)

インド

8.2% 7.0%(+0.2)

6.5%(0.0)

日本

1.9% 0.7%(-0.2)

1.0%(0.0)

※豊トラスティ証券作成、カッコ内は4月時点からの修正幅

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