IMFの世界経済見通し

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国際通貨基金(IMF)は10月22日に、最新の世界経済見通しを公表。2024年世界成長率を3.2%と予測。前回7月時点の見通しで据え置きました。景気の軟着陸(ソフトランディング)を基本シナリオとしつつ、米欧と中国が関税引き上げを応酬する事態となれば世界経済が失速しかねないと指摘しております。2025年は3.2%と、7月時点の見通しから0.1ポイント下方修正。

IMFのチーフエコノミストであるピエール・オリビエ・グランシャ氏は、世界経済の軟着陸シナリオを示しつつも、「成長の下振れリスクが高まっている」と述べております。また、中東情勢の緊張や中国の成長鈍化に加え、2024年に世界人口の半数にあたる64ヶ国で選挙が実施される「例外的な政策の不確実性」を指摘しました。

 

IMFの世界経済見通し(国別)

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国・地域別(2024年)で見てみると、米国は2.8%と予測。強い個人消費や設備投資を背景に、7月時点の見通しから0.2ポイント引き上げております。2025年も2.2%に上方修正。

一方、ユーロ圏は0.8%と予測。主要国ドイツの不振に圧迫されるとし、0.1ポイント引き下げております。2025年も1.2%に下方修正。

中国は0.2ポイント引き下げて4.8%と予測。不動産不況が続き、消費者の先行き信頼感も低調であるものの、想定よりも輸出が堅調で、緩やかな鈍化にとどまるとしました。2025年は4.5%で据え置いております。インドは7.0%で据え置き。2025年も6.5%で据え置いております。

日本は同0.4ポイント引き下げて0.3%と予測。認証不正問題による一部自動車メーカーの一時的な生産停止などが響くとしております。ただ、個人消費の増加を受けて2025年は1.1%に回復するとし、0.1ポイント引き上げております。

日銀の政策金利に関しては、中期的に1.50%程度へ緩やかに引き上げられると予想。従来見通しでは、利上げの到達点を0.50%程度としていました。

 

IMFの世界経済見通し

2023年 2024年 2025年
世界全体 3.3% 3.2%(0.0) 3.2%(-0.1)
米国 2.9% 2.8%(+0.2) 2.2%(+0.3)
ユーロ圏 0.4% 0.8%(-0.1) 1.2%(-0.3)
英国 0.3% 1.1%(+0.4) 1.5%(0.0)
中国 5.2% 4.8%(-0.2)  4.5%(0.0)
インド 8.2% 7.0%(0.0) 6.5%(0.0)
日本 1.7% 0.3%(-0.4) 1.1%(+0.1)

※豊トラスティ証券作成、カッコ内は7月時点からの修正幅

 

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