世界の白金需給

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白金製錬業の英ジョンソン・マッセイ(JM)社は、5月16日に「PGM Market Report」を発表。2022年世界白金需要は前年比0.7%増加の211.6と予測しました。中国を牽引役として自動車触媒需要が増加する一方で、宝飾品需要、自動車触媒を除く産業需要、投資需要は前年から減少する見通し。

自動車触媒需要は同19.8%増の87.7トンとし、2017年(95.2トン)以来5年ぶり高水準になる見込み。中国で排ガス規制が強化されていることに加えて、パラジウム価格の高騰が続く中、通常は触媒としてパラジウムが使用されるガソリン車向け需要も増えるとしております。

2022年の世界白金供給については、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、対ロ制裁が強まる中、ロシアからの供給が見通せないとし、世界全体の生産量を公表せず。

国別で見ると、世界最大の白金生産国である南アフリカは同8.8%減の130.8トンと予測。一方、ジンバブエは同7.1%増の15.5トンとし、少なくともデータが公表されている2005年以降で最高となる見込み。リサイクル量は同1.9%減の50.6トンとし、2009年(43.7トン)以来13年ぶり低水準となると予測しました。なお、ロシア産を除くと生産量は同6.1%減の162.4トン、総供給は同5.1%減の213.1トンとなります

JM社は、欧米などが制裁の一環でロシア産を排除すれば、ロシアは他地域への供給を増やすとして、供給が完全に止まるとは考えにくく、現時点では通年で供給過剰の可能性が高いとしております。ただ、ロシア産が完全に排除されて投資などの需要が上振れすれば、供給不足に転じる可能性もあるとしました。

 

世界の白金生産量(ロシアを除く)

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