NY原油
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NY原油(中心限月)は、前営業日比3.29ドル高の61.79ドルで終了。トランプ米大統領が停戦に応じないプーチン大統領との会談を中止するとした上で、ロシア石油最大手ロスネフチとルクオイルのほか、30を超える関連会社を制裁対象に指定すると発表したため、ロシア産原油の供給混乱への警戒感が強まり、一時62.20ドルまで上昇するなど、10営業日ぶりに60ドル台を回復しております。
◆トランプ米大統領、対ロ追加制裁を発表
トランプ米大統領は10月22日に、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加制裁を発表。ロシア石油最大手ロスネフチとルクオイルのほか、30を超える関連会社を制裁対象に指定しました。制裁に伴い、米国内の資産が凍結され、米国内外の金融機関との取引が制限されます。
ベッセント米財務長官は、声明で「プーチン氏が無意味な戦争を終わらせるのを拒んでいる」と制裁強化の理由を説明。先進7ヶ国(G7)や豪州にも協調するように要請しました。
トランプ氏は、停戦に応じないロシアのプーチン大統領との会談を中止したと言明し、「(制裁の)時期が来たと感じた」と強調。また、「(プーチン氏と)良い会話をしても、進展しない」と不満を表明。プーチン氏とウクライナのゼレンスキー大統領が「理性的になることを望む」と述べ、双方に戦闘終結を呼び掛けております。
トランプ氏とプーチン氏は10月16日の電話会談で、ウクライナ侵攻を巡り、ハンガリーのブダペストで会談することに合意。トランプ氏は「2週間以内」に実施する意向を示し、両国の外相が20日に電話協議を行ったものの、不調に終わっております。そのため、トランプ氏は21日に「無駄な会談は望んでいない。時間を浪費したくない」と述べ、会談の先送りを示唆していました。
バイデン前政権は1月に、ロシア石油大手3位のガスプロムネフチと4位のスルグトネフテガスへの制裁を発表。ただ、原油市場への影響が大きいことから、ロシアの石油最大手ロスネフチと同2位のルクオイルへの制裁は見送っていました。なお、ロシアの原油生産量の半分を2社が占めるとされます。
◆EU、対ロシア追加制裁で合意
欧州連合(EU)は10月23日に、ウクライナ侵攻を続けるロシアに追加制裁を科すことで合意。ロシア産液化天然ガス(LNG)の輸入禁止や暗号資産取引の制限など、エネルギーや金融、貿易を含む幅広い分野にまたがる措置を盛り込んでおります。
第19弾となる制裁では、ロシア産LNGの輸入について、短期契約は6ヶ月以内に終了させ、長期契約は2027年1月から禁じるとしております。また、ロシア石油大手ロスネフチとガスプロムネフチとの取引制限を厳格化したほか、ロシア産原油を運ぶ「影の船団」に117隻を追加指定し、入港禁止対象の総数を557隻としております。EUのカラス外交安全保障上級代表(外相)はX(旧ツイッター)に「プーチンがこの戦争の資金を確保することは、ますます困難になっている」と投稿しております。
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