NY原油

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NY原油(中心限月)は、米国とイランの停戦協議の先行き不透明感が強まる中、6月3日に97.00ドルまで上昇するも、50日平均線を上抜くことが出来ず。戻り売りを浴びる中、市場予想を上回った5月米雇用統計を受けて、FRBが早期に利上げに動くとの観測が拡大。主要通貨に対してドルが買われる展開となり、相対的にドル建て商品に割高感が生じたことが嫌気される中、9日に一時85.95ドルまで下げて、4月17日(80.55ドル)以来の安値を付けるなど7営業日ぶりに終値で90ドルを割り込みました。

100日平均線でサポートされる中で反発。トランプ米大統領が9日にSNSで、ホルムズ海峡付近で8日に米戦闘ヘリコプター「アパッチ」が墜落したのは、イランによる撃墜だったとした上で、「この攻撃に対して報復する必要がある」と表明。米中央軍はイランに対し「自衛」のために報復を実施した。対抗措置として、イランがホルムズ海峡の通航を禁止すると表明したことから、11日に93.64ドルまで上昇する場面も見られております。

ただ、トランプ米大統領がSNSで、戦闘終結に向けたイランとの協議内容について「イラン指導部の最高レベルに持ち込まれ、承認された」とし、同日夜のイランへの攻撃を中止したと表明。その後、ホワイトハウスで「この数日で決着がつくはずだ」と記者団に語り、週末にも欧州で合意文書に署名する可能性があるとの見通しを示したことから、一転して売られる展開となりました。

イランは承認を否定しており、今後も波乱含みとなっておりますが、「7度目の正直」で米国とイランが戦闘終結で合意出来るかが焦点となりそうです。

ただ、米国が核開発計画と高濃縮ウランの放棄を求める一方、イランはウラン濃縮を国家の権利と主張。ホルムズ海峡を巡る隔たりも埋まっていないとの見方は多い模様。イスラエルが停戦交渉の障害になっていることもあり、依然として米国とイランの戦闘が終結するかは不透明な情勢で、イラン関連のヘッドラインに振らされる展開が続きそうです。また、来週は「中銀ウィーク」となることから、引き続きボラティリティーが高い局面が続くことが想定されます。

交渉が不調に終わり、米国が再度イランに激しい攻撃を仕掛けるようですと、50日平均線を突破する可能性もありそうです。ただ、テクニカル的にはMACDが下げ基調を強めている上に、50日平均線のレジスタンスが強まっております。「ダイヤモンド・フォーメーション型」が意識され始める中、100日平均線を割り込むようですと、80ドル辺りまで下げて来ることも想定されます。

とは言え、世界の原油在庫は取り崩しが急速に進行。北半球が夏場の需要期を迎える中、需給のタイト感が日に日に強まっており、安値は買い拾われそうです。

なお、既報通り、米エネルギー情報局(EIA)は今週発表したレポートで、世界原油生産量が米国とイランによる軍事衝突前の水準に戻るのは2027年初めになるとの見通しを示しました。また、経済協力開発機構(OECD)加盟国の原油在庫は記録的なペースで取り崩されており、ホルムズ海峡の航行量が2027年初めまで紛争前の水準に戻らないと想定した場合、OECD加盟国の原油在庫は12月時点で合計23億バレル弱まで減少すると予測。EIAが統計を取り始めた2003年以降で最低水準まで落ち込む可能性があるとしております。

 

 

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