NY原油(中心限月)は、5月18日に109.47ドル、翌19日に109.24ドルまで上昇するも、節目の110ドルを突破出来ず。米国とイランの和平合意が近いとの見方から売りが拡大。20日は急落となり、7営業日ぶりに100ドルを割り込みました。翌21日に50日平均線を下回ったことで下げ幅を拡大。戦闘終結に向けた交渉が進んでいるとの期待から、今週も上値の重い展開が継続。中東からのエネルギー輸送が正常化するとの期待から売りが拡がり、27日は一時87.77ドルまで下げるなど、中心限月の清算値ベースでは4月20日以来の90ドル割れとなっております。
ホルムズ海峡周辺で米国とイランの小競り合いが続く中、28日には反発に転じましたが、米ニュースサイト「アクシオス」が、米国とイランが戦闘終結に向けて暫定合意したと報じたことから、29日の時間取引は反落しております。イラン国営テレビによると、イランは1ヶ月以内にホルムズ海峡経由の商業船舶の往来を紛争前の水準まで回復し、米国はイラン周辺から軍隊を撤退させ、海上封鎖を解除する内容。また、軍用艦船は対象外で、イランはオマーンと協力してホルムズ海峡を通る船舶の管理と航路の確保を行うとしている模様。
米当局者も28日に、米国とイランの60日間の停戦延長などを盛り込んだ覚書を巡り、双方の交渉担当者が「暫定合意」に達したことを明らかにしましたが、トランプ米大統領の承認を待っている状態だとしており、このまま米国とイランが戦闘終結で合意出来るかが焦点となりそうです。
ただ、イランは覚書の草案は「確定していない」との認識を示しており、米国とイランの戦闘が終結するかは依然不透明な情勢。また、イスラエルは強硬姿勢を崩しておらず、イラン関連のヘッドラインに振らされる展開が続きそうです。
戦闘終結で合意に至れば供給不安が和らぎ、100日平均線辺りまで下げて来ることも想定されます。ただ、ホルムズ海峡が解放されたとしても、機雷の除去などを行う必要があり、安定的な通航再開には最低2〜3ヶ月掛かるとみられております。また、イランの攻撃で損傷を受けた湾岸諸国のエネルギー関連施設の修復や再稼働にも時間が掛かるとみられており、原油供給が不足する状態が当面続きそうです。一方で、北半球が夏場の需要期を迎えることに加えて、各国が放出した原油備蓄在庫を買い戻す動きが強まるとみられており、需給のタイト感から安値は買い拾われそうです。
なお、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は6月7日に閣僚級会合を開催します。UAEが5月1日付でOPECを脱退する中、結束を維持出来るか注目されます。
なお、ロイター通信によると、「OPECプラス」で自主減産を実施しているサウジアラビア、ロシア、イラクなど有志7ヶ国は、7月の原油生産目標を前月と同水準の日量18.8万バレル増産で合意する可能性が高い模様。
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