NY原油

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NY原油(中心限月)は、米国軍がイランの主要原油積み出し拠点であるカーグ島の軍事施設を攻撃したと報じられたことを受けて、一時117.63ドルまで上昇するなど、4月7日は112.95ドルで終了。終値としては2022年6月以来、約3年10ヶ月ぶり高値で終了しました。ただ、急転直下とも言える米国とイランの2週間の停戦合意を受けて、8日は急落。リスクプレミアムが剝落し、一時91.05ドルまで下げる場面もみられております。

ただ、イスラエルはレバノンへの攻撃を継続。また、サウジアラビアの東西石油パイプラインが、イランのドローン攻撃により損傷するなど、停戦合意後も各地で交戦が続いていることから節目の90ドルは維持。翌9日は反発に転じ、一時102.70ドルまで上昇する場面も見られております。

イスラエルのネタニヤフ首相がレバノンとの和平交渉を開始するよう指示したと表明したことから、その後95ドル台までレンジを切り下げたものの、ネタニヤフ首相は攻撃は続ける考えを強調。原油供給に対する懸念が依然として燻る中、原油相場を支えしているようです。

ホルムズ海峡の全面開放に期待が高まっているものの、イランは無許可で通航する船舶の破壊を警告。イラン革命防衛隊がホルムズ海峡に機雷を敷設したとする海域の地図を公開する中、海峡の通航を試みる船舶はほとんど無く、船舶通航量は通常の10%未満に留まっている模様。

目先は11日にパキスタンの首都イスラマバードで開催される予定の米国とイランの和平協議が進展するかが焦点となりそうです。レバノンを含む停戦やイランのウラン濃縮、ホルムズ海峡の管理を巡って両国の認識のずれが露呈し始めております。また、イスラエルの存在が交渉の大きな障壁になりつつあります。

交渉が決裂するようですと、原油供給に対する懸念が再燃して100ドル台に乗せて来る可能性がありそうです。一方で、停戦合意の実効性に懐疑的な見方が多い中、半歩でも交渉が進展すればアナウンス効果は大きく3月23日以来の90ドル割れとなることも想定されます。

とは言え、停戦協議が難航してホルムズ海峡が封鎖されるリスクは捨てきれない上に、イランの攻撃で損傷を受けた湾岸諸国のエネルギー関連施設の修復も必要で、原油の供給能力が完全に回復するのに時間が掛かるとみられております。また、原油の供給不足を補うために備蓄を放出していた国が在庫を補充する需要が発生するとの期待感も、相場を下支えしそうです。

当面は和平協議に関するヘッドラインに揺さぶられる展開が続きそうですが、95ドルを中心に上下10ドルのレンジで推移することが想定されます。なお、来週は米エネルギー省(EIA)や石油輸出国機構(OPEC) 国際エネルギー機関(IEA)から月報が公表されます。

 

 

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