NY白金(中心限月、日足)

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NY白金(中心限月)は、世界の中央銀行による金融引き締めに伴うリセッション(景気後退)懸念が拡がる中、産業用向けが多い白金は需要減退懸念から軟調な地合いが継続。中国で新型コロナウイルス感染が再び拡大していることも嫌気された様で、7月12日に一時825.8ドルまで下げて年初来安値を更新。再び節目の850ドルを割り込んでおります。

年初からの動きを振り返ると、900ドル辺りでは中国を中心とした実需が買い支えるとの見方から買い拾われておりましたが、感染力がより強いとされるオミクロン株派生型「BA.5」の感染例が中国・上海市で初めて確認されたことを受けて、ロックダウン(都市封鎖)が再び講じられるのではないかとの不安が拡がり、需要減退懸念が強まっている様です。

供給面では、世界最大の白金生産国である南アフリカでは国営電力会社エスコムで賃金交渉が長期化し、電力供給に対する懸念が続いているものの、南アフリカの通貨であるランドは対ドルで1年9ヶ月ぶり安値を付けるなど、下落が続いており、白金の輸出がむしろ増えるとの見方も出始めております。

それに加えて、「安全資産」としてドルが買い進められる中、ドル指数は約20年ぶり高値まで上昇。相対的にドル建て金に割高感が生じていることも上値を抑えている様で、終値ベースでは2020年5月14日(775.0ドル)以来の800ドル割れを予想する向きも出始めております。

一方、同じ白金族であるパラジウムは7月12日に急落したものの、ロシアへの経済制裁が強化されるとの懸念から、2000ドル台を維持するなど、堅調な値動きが続いております。

パラジウムの高騰を受けて、ガソリン車向け自動車触媒向け需要がパラジウムから白金へシフトする動きが続くと市場では見られており、白金に相対的な割安感が出てきそうです。

また、テクニカル的にも、相対力指数(RSI)は33%まで低下して来ており、目先は自律反発の動きが想定されます。

 

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